ミモザアカシアの葉が落ちる原因と対策|8つのポイントを解説

植木
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こんにちは。

たなーです。

春の訪れを知らせてくれる花といえば桜。

日本では、小さな豆桜や一才桜などさまざまな桜が咲き、街路樹ではソメイヨシノが一斉に咲き誇り、暖かな春の訪れを知らせてくれます。

日本人にとって春の訪れは桜のイメージが強いですが、ヨーロッパでは春の訪れを知らせてくれる花はミモザ。ミモザは小さな黄色のポンポンした花が房状に咲き、非常に可愛く人気のある花です。

特にフサアカシアは、香水やアロマに使用されるほど、とても良い香りを持ちます。

フランスを代表するブランドのシャネルやイヴサンローランも、ミモザの香りを香水とした商品を取り扱っているよ。

たなー
たなー

フランスでは2月にミモザ祭りがあるくらいだからね。それくらいにミモザは身近なものなんだね。

 

葉も1枚1枚が可愛らしく、樹木としても美しいので、鉢植え・庭植えとしても人気のある植物です。

しかし、育てていて多い質問が

かわいいミモザを育てていたのに、急に葉っぱがボロボロ落ちてきたんだけど、どうして?どうすればいいの?

 

たなーが園芸店勤務時代、毎年この質問がありました。。

そのくらいに葉落ちして枯れてしまうことの多い植物でもあります。

でも、ポイントさえ押さえてしまえば毎年可愛い花が楽しめますので、安心してください。

ここでは、ミモザの葉が落ちる原因とその対策についてお話していきたいと思います。

この記事を読むことで、以下のことがわかります。

ミモザの葉が落ちる原因とその対策
ミモザを育てるときにあると助かる便利グッズ
 
※ここでは、わかりやすいようにミモザに統一してお話いたしますが、ミモザは本来、マメ科ネムノキ亜科アカシア属の総称です。そのため、ギンヨウアカシアやフサアカシアなどアカシアに共通するお話になります。

ミモザの葉が落ちる原因とその対策8つのポイント

ミモザ

結論としてミモザの葉が落ちる原因は以下の8つが考えられます。

  1. 寒さ
  2. 植え替え時の根傷み
  3. 根詰まり
  4. 日当たり
  5. 土の乾燥
  6. 根腐れ
  7. 強剪定時期
  8. 害虫

それぞれの対策も含めて解説します。

ミモザの葉が落ちる原因1|寒さ

寒さ

オーストラリアやアフリカを原産地とするミモザは、それほど寒さに強くありません。

耐寒性は約-5℃。

関東以北では冬の寒さに耐えることができず、葉が落ちる可能性が高く、最終的には枯れるでしょう。関東以西だとしても、鉢植え地植えともに急激な気温低下や大寒波の場合は葉が落ちて枯れる可能性があります

寒さによって葉が落ちるときの対策|鉢植え

冬の気温が0℃を下回った場合、室内に移動させましょう。

室内に入れられない場合は、簡易温室に入れたり鉢に緩衝材(プチプチ)を撒いたりしてください。ビニールを被せて、冷たい風や雪が当たらないようにする対策も効果的です。

寒さによって葉が落ちるときの対策|地植え

根元に腐葉土や藁、ウッドチップ、ビニールなどでマルチングを行いましょう。小さい苗の場合はビニールを被せる対策もおすすめです。

ただし、大雪が降ると重さでビニールごと潰されるかもしれません。あらかじめ骨格となる支柱を使って頑丈に作っておくと安心です。

大木の場合は、株元から幹を布や藁などで巻いてあげたり、雪の重みで枝が折れないように支えとなる支柱を添えてあげるたりするとよいでしょう。

ミモザの葉が落ちる原因2|植え替え時の根痛み

植え替え

ミモザの根は繊細なので、移植を嫌います。

植え替え時にガシガシと土を落としたり、根を切ったりするとすぐに葉が落ちる原因になるので注意しましょう。

種類によって異なりますが、ミモザは樹高が4~6mほどと大きくなるわりに根が細いです。小さな苗も大きな株も植え替えには注意してください。

植え替え時の根傷みによって葉が落ちるときの対策

なるべく土や根を崩さず、そのままゆっくり植えてください。

地植えの場合は、ミモザが大きくなることを考えることが重要。植栽計画をしっかり考えて、頻繁に植え替えをすることがないように植えてください。

ミモザはすくすく育つと5mほどの高さになりますので、地植えする場所には気を付けましょう。植え替えの根傷みを最小限にするために、植えた後は発根剤でもあるメネデールを水に薄めて与えてあげると回復しやすいです。

ミモザの葉が落ちる原因3|根詰まり

根詰まり

ミモザの根は直根性(ちょっこんせい:根が横に分散せず、まっすぐ伸びる性質)のため、鉢が浅いとすぐに根詰まりを起こします。そのため、根にストレスがかかりやすく、葉が落ちる原因に。

地植えの場合は土の制限がないため、根詰まりに関しては多くの場合は問題ありません。ただし、土が極端に固まっている場合は、根詰まりする可能性があります。

根詰まりによって葉が落ちるときの対策

鉢の植え替え時は、できるだけ鉢の高さがあるものを選びましょう。

ただし小さい苗の時から根鉢の3回り以上大きい鉢にすると、水やり後に根が吸水しきれず、土が常に湿った状態になりやすいので気を付けてください。

根鉢に対して1~2回りの大きさの鉢に植え替えましょう。鉢の直径がなるべく狭く、高さがあるものがベストです。

もし、地植えの土が踏み固められているようなカチカチの土の場合は、腐葉土やバーク堆肥を土に混ぜて耕してください。株元ではなく広がっている枝先の真下あたりに混ぜ込み、太い根を株元の根を気づ付けないことがポイントです。

ミモザの葉が落ちる原因4|日当たり

日当たり

ミモザは日当たりのよい環境を好みます。

暗い日陰や日差しが入らない環境に置くと、葉が落ちるだけでなく花付きにも影響を与えるので注意してください

日当たりによって葉が落ちるときの対策|鉢植え

日当たりの良いところへ移動してあげましょう。

ミモザは屋外で育てる植物です。室内では日当たり不足になるので、小さな鉢植えで室内に飾っている方は、屋外の日当たりのよいベランダやお庭で育ててください。

日当たりによって葉が落ちるときの対策|地植え

お庭に植える場合は、周囲の建物や太陽の位置を考えることが大事です。季節により日当たりの加減は変わります。

植栽計画をしっかり考えて、一年を通して日当たりのよい場所に植えることがポイントです。

ミモザの葉が落ちる原因5|土の乾燥

水やり

ミモザは多湿を嫌う植物ですが、土を乾燥させすぎにも注意が必要です。

どの植物にも言えますが、水を与えなければ植物は次第に葉を落として枯れます。すぐに気づいて、水やりしても根傷みにつながるので土の乾燥に気を付けてください。

地植えの場合は、鉢のように土の容量が限られることはないので、土が乾燥しすぎることは少ないでしょう。雨が降らない夏の時期だけ土の乾燥に注意します。

土の乾燥によって葉が落ちる時の対策

春から夏にかけて、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れるくらいたっぷり水やりしてください。秋から冬は生育が緩慢になるので、水やりを徐々に控えながら土全体が乾いて水やりをします。

ミモザはぐんぐん生育するため、思いのほか鉢植えだと水切れしやすいです。土が乾燥しすぎないように、日ごろから観察してください。

水やりがうまくできない場合は、パッと一目で水やりタイミングがわかるサスティーを使うとよいでしょう。

たなー
たなー

アパートやお家で鉢植えのミモザが枯れたままといった状態をよく見ます。多くの場合、土が乾燥しすぎて水切れで枯れているので気を付けましょう。鉢植えであれば、サスティーがわかりやすくておすすめです。

ミモザの葉が落ちる原因6|根腐れ

ミモザの葉が落ちる原因6|根腐れ

ミモザは多湿を嫌う植物です。

そのため、水のやりすぎは葉が落ちる原因になります。さらに大きなミモザの場合は、根腐れが進むと倒木する危険もあるので気を付けてください。

鉢植え地植えともに、水はけの悪い土は根腐れの原因になります。

根腐れによって葉が落ちるときの対策|鉢植え

鉢植えでミモザを育てる際は、水はけ・水持ちバランスの取れた土で育ててください。基本的には、市販の果樹・植木の土で十分です。

水持ちがよすぎる土は根腐れを引き起こします。真砂土や野菜の土は水持ちがよすぎるため、樹木に適した市販の土を選んで植えてください。

もしオリジナルで土を作る場合は、硬質赤玉土:腐葉土=6:4の基本培土がよいでしょう。あとは、ご自身の生活サイクルに合わせて、軽石や鹿沼土、ベラボンなどを加えて水はけを調節すると育てやすいです。

土の乾燥が原因で葉が落ちる際にも述べていますが、水やりも重要です。土が常に湿っているような水やりをしていると根腐れします

受け皿に水がためている場合も土が乾かない原因です。たまった水はこまめに捨ててください。

根腐れによって葉が落ちるときの対策|地植え

ミモザを植える際は、お庭の土の水はけに注意してください。特に新築のお家の庭は、真砂土であることがほとんど。

真砂土はきめの細かい砂の集まりです。比較的均一の大きさなので、一度水に濡れると空気の隙間がなくなり、乾燥しにくくなります。さらに地植えであるにもかかわらず根が伸びない原因にもなるので注意してください。

地植えする場合は、腐葉土やバーク堆肥、ベラボン、軽石、鹿沼土など粒度の異なるたい肥や土を、しっかりと混ぜ合わせて土に空気を含ませるように耕しましょう。目安として、根鉢の縦横3倍くらいは掘り起こして、ミモザを植えてください。

たなー
たなー

総合園芸店→建築会社の外構部門に勤めたたなーとしては、真砂土で植物を育てることはおすすめできません。外構の担当者が「いい土ですよ。植物育ちますよ。」と言っても、それは「家の地盤にとって“いい土”」。「真砂土の上に腐葉土を撒いとくといいですよ。」という外構の方もいますが、雨で流れます。意味がありません。ただの見た目です。根が強く、すでに大きな植木以外は真砂土で育ちません。繊細な根を持つミモザであれば、なおさらです。気を付けてください。

ミモザの葉が落ちる原因7:|強剪定時期

剪定

ミモザはぐんぐん大きくなる植物です。そのため、剪定は大事な作業

基本的には、増えすぎた枝を間引くように、風通しを考えて剪定します。

強剪定(軸となっているような太い枝を切ること)を、ミモザの活動が鈍っている冬に行うと弱ってしまって葉が落ちて枯れる原因になるので注意が必要です。

強剪定によって葉が落ちるときの対策

強剪定は花が咲き終わって6月までにしてください。

ミモザは翌年の花芽が付くのが速い植物。夏以降に強剪定すると花芽も落としてしまうので翌年の花が咲きにくくなるので気を付けましょう。

気温が下がり始める秋から、生育が緩慢になります。強剪定はミモザの株に大きなダメージを与えるため、太い枝は生育期に切るようにしてください。

鉢植えで育てている小さなミモザであれば、花鋏や剪定ハサミで間引くように切ります。地植えの大きなミモザの枝の場合は、ちょっとした鋏では切れないので、樹木用の枝切ばさみを準備しましょう。

太い枝を剪定した際は、切り口から病原菌が入らないように、癒合剤を塗っておくと安心です。おすすめは殺菌効果もあるトップジンMペーストです。

ミモザの葉が落ちる原因8|害虫

害虫

ミモザにつく害虫として、代表的なものはカイガラムシ、テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)、ネキリムシ(コガネムシの幼虫)がいます。

これらの害虫が発生すると、ミモザが弱り葉が落ち枯れる原因になるので気をつけましょう。

害虫によって葉が落ちる時の対策

カイガラムシやテッポウムシ、ネキリムシについてそれぞれ紹介します。

カイガラムシ

風通しが悪いと枝葉に発生しやすいため、増えすぎた枝葉はこまめに切り風通しを良くしてあげましょう。

また、発見が早ければ、柔らかいブラシなどでこそぎ落としてください。

増えすぎた場合は、市販のお薬を使ってあげましょう。

カイガラムシは、お薬が効きにくいので、早期発見が重要

カイガラムシのお薬で、使いやすく効果的な殺虫剤を3つご紹介します。

オルチオン乳剤は、2つのお薬の混合剤です。

水に薄めて噴霧するタイプなので、お庭で大きくなったミモザに使いやすく効果的ですよ。

カイガラムシエアゾールは、そのままスプレーするタイプで、噴霧距離が長く遠くの枝葉まで届きます。

5つの成分が効果的に作用するベニカXネクストスプレーは、たなーおすすめの殺虫剤です。

テッポウムシ

テッポウムシとは、カミキリムシの幼虫のことです。

幹の太い大木に発生しやすく、夏場にカミキリムシが幹に卵を産み、ふ化して幹の中を幼虫が食べてしまい、ミモザが水が吸えなくなり最終的には枯れてしまいます。

秋や翌年の春に気の根元から木くずが落ちていたら要注意です。

針金を木くずが出ている穴に差し込んで、刺して幼虫を倒すか市販の薬を使いましょう。

市販のお薬としては、こちらの園芸用キンチョールEが使いやすくおすすめ。

根元にカミキリムシが寄り付かないように針金ネットなどで保護してあげるのも効果的。

たなー
たなー

カミキリムシは株元の太い幹から50㎝程度までの高さで卵を植え付けやすいです。その高さまでネットを被せておくとよいでしょう。

ネキリムシ

コガネムシが土に卵を産み、ふ化した幼虫が土と一緒に根も食べてしまうため、葉がボロボロと落ちて枯れてしまう原因になります。

コガネムシは肥沃な土に卵を産みやすいので、有機質分の多い土は特に気を付けましょう。ミモザをさわってグラグラしていたら要注意。

鉢植えの場合は、植え替えを行い、メネデールで発根を促しましょう。

地植えの場合は、市販の薬でネキリムシ対策が必要です。

土の中のネキリムシなどの害虫には、撒くだけで効果があるダイアジノンがおすすめ。

※ヨトウムシの幼虫もネキリムシと言われますが、ミモザにはヨトウムシは発生しないので、コガネムシの幼虫として紹介しています。

最後に

最後に

いかがでしょうか。

今回は、ミモザの葉が落ちて枯れる原因にスポットを当てて紹介させていただきました。

この8つのポイントを押さえれば、ミモザを上手に育てられるでしょう。

ミモザは、葉も美しく花も可愛く香りもよいとても人気の花木です。花もリースや花束にしたりドライフラワーにしたりと様々な楽しみ方があります。

素敵なお家で素敵なミモザが香る日々は、とても気分が高揚する春になりますね。ぜひ、ミモザを楽しんでください。

ミモザの小さな苗は枝が細いので風で簡単に折れてしまうことがありますので、支柱をしてあげましょう。それではミモザを育てて、良きグリーンライフを過ごしましょう!

コメント

  1. まーちゃん より:

    分かりやすくミモザのこと教えて頂きありがとうございます(^^)
    我が家のミモザは近くの園芸屋をいくつか回りましたが置いてなく,Amazonで購入しました!
    2週間ぐらいで枯れはじめてダメになったので,原因は何かなぁ…
    心当たりは寒さか根詰まりだったかも-_-b
    今思えば到着した鉢も小さかったからなぁ…それに長旅で疲れてたのかも( ´Д`)今度購入する時は,是非是非参考にさせて頂きます♡‼︎

    • tana tana より:

      いえいえ、どういたしまして(*^-^*)まーちゃんさんのためになっていれば幸いです。
      2週間で枯れ始めたというのは、販売元が原因の可能性もあるかもしれませんね。。。
      冬に購入されているならば、ハウス内の温度差の可能性も。。
      次回はぜひ、かわいい花を咲かせてあげましょうね(#^^#)

  2. 無敵の花屋 より:

    こんにちは。
    いい香りがするアカシアって、ギンヨウアカシアじゃなくてフサアカシアじゃないですか?

    梅雨時期に葉っぱがパラパラ落ちるのは、コガネムシの幼虫の可能性があるんですね。アレは困りものですね。

    • tana tana より:

      無敵の花屋さん

      コメントありがとうございます。
      いつもTwitterでも仲良くしていただきありがとうございます。

      ご指摘ありがとうございます(>_<) ギンヨウアカシアではなくフサアカシアでした。 大変失礼いたしました。 アカシアはとっても可愛い植物なので、害虫に悩まされずに元気に育てて楽しみたいですよね。

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