こんにちは。
たなーです。
春の風物詩と言ったら何を思い浮かべるでしょうか?
寒い冬を超えて、春になると様々な植物達が美しい新緑を芽吹かせます。
そんな中、葉よりも先に花を咲かせる樹木を想像する方が多いのではないでしょうか。

やっぱり、桜じゃない?
春の花というと、菜の花なども思い浮かべますが、
やはり、桜の美しく可憐な花を一番に想像しますね。
桜には、開花時期や咲き方、色合いなどが違う様々な品種があるのをご存じでしょうか。
そこで、
この記事を読むことで以下のことがわかります。
それでは、順を追ってお話しますね。
一才桜とは
一才桜とは、サトザクラ系の桜の品種「旭山桜(あさひやまさくら)」であることが多いです。

であることが多い??
というのも、「一才桜」とは正式な名称ではなく、品種名でもありません。
この一才桜の「一才」とは、花や実をつけやすい、または若木のうちから花や実を付ける性質を示します。

園芸用語で一才物とも呼ばれます。
桜以外にも一才柚子や一才藤など「一才」という名の付く植物は意外と多くあるんですよ。
つまり、
若いうちから花の咲く旭山桜のことを一才桜として呼ぶことが多いんですよ。
さらに、旭山桜は樹形がコンパクトで2~3mほどしか大きくならないので、鉢植えや盆栽として非常に育てやすい特徴があります。
園芸店などで出回る鉢植え用や盆栽用の一才桜は、この旭山桜を実生の桜の台木に接ぎ木しているものがほとんどです。
この一才桜(旭山)は、日当たりの良いベランダでも簡単に育てることができます。
そのため、お部屋の中でも気軽に可愛い八重咲きの桜を、お花見として楽しむことができるんですよ。

鉢植えや盆栽向きの桜として、その他に旭山桜同様に若いうちから花が咲きコンパクトな豆桜(別名:富士桜)も人気。
それでは、この一才桜と呼ばれる旭山の育て方についてお話します。
一才桜(旭山)の育て方
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「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という諺(ことわざ)があることをご存じでしょうか。
桜は剪定すると、その枝から病原菌が入りやすく枯れやすい。
梅は不要な枝を切らないと、樹形がどんどん崩れ花や実が付かない。
そんな特徴から、「個性に応じた手のかけ方が大事」という意味として使われます。
この言葉から、
桜は剪定してはいけない。
桜を育てるのは難しい。
と思っている方もいますが、ポイントを押さえれば簡単に育てることができますので安心してくださいね。
それでは、順を追ってお話します。
日当たり
一才桜(旭山)に限らず、桜は日当たりが良い場所を好みます。
そのため、基本的には日当たりと風通しの良い場所で管理することが大事です。
ただし、真夏の強い日差しや西日は葉が焼ける原因になるので、半日陰に移動したり、寒冷紗などで遮光したりすると良いでしょう。

開花している桜を室内で楽しみたい場合は、日当たりの良い窓際に置くか、一週間のうち3日は室内で楽しみ、4日は室外で日光に当てて管理すると良いですよ。
用土
一才桜(旭山)は、水持ちの良い有機質に富んだ土を好みます。
市販の樹木・花木用の土で十分育ちますので安心してくださいね。

プロトリーフさんの果樹・花木の土は、様々な樹木に使用できて便利です。
オリジナルで土を作る場合は、硬質赤玉土(小粒):腐葉土=7:3の基本培土をベースに、桐生砂や鹿沼土、川砂などで水はけを調整しながら作ると良いでしょう。
水やり
一才桜(旭山)に限らず、桜は水を非常に好みます。
そのため、水切れしないように管理することが上手に育てるポイントです。
基本的には、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるくらいにたっぷりと水やりをします。
しかし、受け皿に水を溜めると根腐れの原因となってしまうので、溜まった水はこまめに捨ててくださいね。
地植えの場合は、植え付け直後と真夏の雨が降らない時期以外は水やりは必要ないですが、盆栽や小さな鉢で育てている場合は、特に土の乾燥に気を付けましょう。

とは言っても、土の乾燥具合がわからないのよね。。。
そんな時は、水分計サスティーがおすすめ。

一目で土の乾燥具合がわかるので、水やりで失敗することが少なくなりますよ!
肥料
一才桜(旭山)の肥料は、有機性の油粕や骨粉などの置き肥タイプがおすすめです。
化学肥料も良いですが、与えすぎると生育の調子を崩すので注意が必要になります。

超発酵油粕は、油粕特有のにおいがなく、使いやすいのでおすすめです。
肥料は、開花後の春4~5月、秋10月に与えましょう。
真夏と落葉後の冬には肥料は必要ありません。
植え替え
一才桜(旭山)の植え替えは2~3年に一度、植え替えましょう。
植え替え時期は、秋の9月下旬~11月、または早春の芽だし前の2~3月になります。
早春に植え替えをした場合は、寒の戻りによる気温の急激な低下に気を付けてください。
根が固まっている場合は、根をほぐして古い土を落として、枯れている根や黒くなっている状態の悪い根は切り落としましょう。
暑さ・寒さ
一才桜(旭山)は、バラ科サクラ属の落葉花木であるため、暑さ寒さに非常に強いです。
基本的には、一年を通して屋外の管理で大丈夫ですが、真夏の強すぎる直射日光は葉焼けの原因になるので気を付けましょう。
小さな鉢植えや盆栽で一才桜(旭山)を育てている場合は、冬は土の中まで凍らないように冷たい風が当たらない場所に移動したり、鉢を梱包材で包んだり対策をするとよいですよ。
お昼の暖かい時間には、日光にしっかり当ててあげることがポイントになります。
冬の寒さに当たることを避けて、室内の暖房が効いた部屋で管理すると、冬の間に花が咲いてしまったり、春にうまく花が咲かなかったりする原因になるので注意しましょう。
一才桜の開花時期は4月中旬で、
ソメイヨシノの開花から、おおよそ1週間後に咲きます。
しっかりした花を咲かせるためには、寒さにもきちんと当てておく必要がありますので、過保護になりすぎないように気を付けてくださいね。
剪定
先ほど、諺で「桜切る馬鹿、、」とお話させていただきました。
桜は幹の傷や剪定後の切り口から、病気になりやすい厄介な特徴があります。
かといって、そのまま育て続けると、「大きくなりすぎて困っている」という桜が大きくなる問題が必ず発生するんです。
いくら矮性品種の旭山桜や豆桜でも、最大で2~3mほどになるので、購入時のイメージと違ってきて

どうしたらいいの?
と悩む方も多いでしょう。
桜は剪定してはいけないわけではなく、剪定の対処を正しく行えば問題ありませんので安心してくださいね。
剪定時期
剪定時期は、開花後の4~5月、または開花前の2月です。
開花後に剪定する場合は、梅雨時期6~7月に翌年の花芽を作るので、必ず5月までには剪定しておきましょう。
剪定を行う日は、必ず晴れた日に行うのがポイント。
湿度の高い日や、雨が続いている日に行うと、空気中の病原菌や細菌が剪定後の切り口に付着しやすいためです。
剪定方法
基本的には開花後に伸びた枝の生育が止まったら、下から3~4節残して剪定します。
また、この5月までに剪定できなかった場合は、翌年の2月に剪定しましょう。
2月の開花前であれば、花芽の確認をしながら好きな位置で剪定ができますよ。

剪定はよく切れる園芸用ハサミや剪定ハサミを使いましょう。
よく切れるハサミについてはこちら。
また、節を残さず剪定すべき枝は、以下の通りです。
〇横に伸びた枝から直角に真上に伸びる徒長枝(とちょうし)
〇接ぎ木部分より下から出てくる台木の枝
〇幹を横から見て、内側に向かう枝や、2本の平行になっている枝
〇頼りない細枝
剪定後の対処
晴れている日に剪定したとしても、切り口をそのままにしていると、雨が降ってきた時や水やりの影響で病気になりやすいものです。
剪定後は、私たち人間が消毒して絆創膏を貼るように、桜にも対処が必要になります。
剪定後は、すぐに以下のトップジンMペーストなどの癒合剤を塗りましょう。

通常の癒合剤でもよいですが、たなーは殺菌作用もあるトップジンMペーストをお勧めしています。
一才桜に限らず、桜は剪定後には癒合剤を塗ることで、切り口からの病気や枯れ込みを高確率で防ぐことができるんですよ。
病害虫
代表的な病害虫は以下の4つになります。
1:せん孔細菌病
桜の葉に褐色の小さな斑点ができ、その後徐々におおきくなり、最終的に穴が開き、葉が落ちる病気です。
梅雨時期の6~7月に発生しやすく、桜の美しい葉の観賞価値がなくなり、光合成もうまく行えなくなるので注意しましょう。
もし発症した場合は、発症部位を取り除きベンレート水和剤やトップジンM水和剤、アグレプト液剤などの殺菌剤で対処してください。

同じバラ科の桃では特に発生しやすい病気なので、桃も育てている方は特に注意が必要ですよ。
2:こうやく病
カビの一種で、幹や枝に灰色~赤茶色、黒色の膜ができます。
この膜は菌糸の集合体で、この集合体が多発すると樹勢が弱まるので注意しましょう。
こうやく病が発生した場合は、カッターなどで枝や幹の表皮を薄く削るように取り除き、トップジンMペーストで殺菌+癒合がおすすめです。
この病気はカイガラムシとの共生関係にあるので、カイガラムシの除去も必須となります。
カイガラムシにも注意しましょう。
3:カイガラムシ
カイガラムシは多くの樹木、草花にも発生しやすい吸汁性害虫です。
植物の栄養を吸うので、大発生した場合は植物が弱る原因となります。
さらに、前述したこうやく病と共生関係にあったり、葉に黒いすすが付いたようなすす病を誘発したりと、非常に厄介です。
また、アリやアブラムシも誘引します。
薬も効きにくいので、見つけ次第柔らかいブラシや布などでこそぎ取りましょう。
殺虫剤は、孵化(ふか)直後の幼虫には聞きますが、その後の2齢、3齢幼虫、成虫には効き目が薄いので、繁殖期の5~8月に殺虫剤で対処すると効果的です。
4:アブラムシ
アブラムシは、カイガラムシ以上にどの植物にも発生しやすい吸汁性害虫です。
特に新芽や花芽のできる春や秋に発生し、植物の栄養を吸収するので、大発生した場合は植物が弱る原因になります。
見つけ次第、取り除くか市販の殺虫剤で対処しましょう。
アブラムシは、カイガラムシと違い薬が効きやすいので、安心してください。
この虫も、病気を媒介することが多いので、早めに駆除することが大切です。

たなーおすすめのベニカシリーズがアブラムシにも効果的。
ベニカXネクストスプレーについてはこちら。
一才桜(旭山)が枯れる原因と解決方法
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一才桜がうまく育てられず枯れる原因は以下が考えられます。
1:日当たり
一才桜(旭山)は日当たりの良い環境が好きです。
そのため、日当たりの悪い環境ではうまく育たず、枯れることもあるでしょう。
うまく育たない場合は、早めにより日当たりの良い環境に移動させてください。
ただし、真夏は半日陰や寒冷紗で遮光したほうが良いです。
2:水やり
桜は水を好みます。
小さな鉢や盆栽仕立ての場合は、特に水切れしやすく注意が必要です。
かといって、受け皿に常に水を溜めていると根腐れで枯れてしまうこともあります。
土の乾燥には気を付け、夏場は朝と夕方の2回は最低でも水やりしましょう。
冬も冷たい風が当たり続けると、乾燥しやすいので注意してくださいね。
3:病害虫
特に気を付けるべきは、こうやく病とカイガラムシです。
こうやく病は、そのままにしておくと著しく樹勢が悪くなります。
また、カイガラムシは吸汁することもあることながら、様々な病害虫をさらに誘発させるので、見つけ次第早くに対処しましょう。
地植えや鉢植えで大きく育てている場合は、上記2つの病害虫以外にもコガネムシの幼虫(通称、ネキリムシ)やカミキリムシの幼虫(テッポウムシ)にも注意が必要です。
コガネムシの幼虫は、土の中で根を食べ荒らして、桜を枯らしてしまいます。
カミキリムシの幼虫は、太い株元の幹の中に住み着き、幹の中を食べ荒らして桜を枯らすんですよ。
どちらも、土は乾いていないのに、急に水切れの症状が現れます。
土の中にコガネムシの幼虫がいる場合は、株がぐらつき安定しないので、すぐに植え替えをして幼虫を取り除きましょう。
植え替えが難しい場合は、ダイアジノンという薬が効果的です。
カミキリムシは、大木の株元ほど卵を産み付けやすいので、長年育ててる株には夏からカミキリムシがいないか注意しましょう。
根元から約20~30㎝の高さに卵を産み付けるので、その高さに金網を張るなどの工夫をしてカミキリムシを寄せ付けない方法もあります。
生みつけられた場合は、根元から木くずが出てきますので、その穴から園芸用キンチョールEなどの殺虫剤で対処するか、針金を穴から突き刺し取り出すか対処しましょう。
4:植え替え
早春の2~3月の植え替えで、古い根や新しい根を半分以上切り詰めすぎた状態で植え替え、さらに寒の戻りによって、急激な寒さに当たると枯れやすいです。
そのため、一才桜の早春の植え替えは根の切りすぎに気を付け、植え替え後も天気予報に注意して気温が急激に下がる場合は、室内に入れるなど寒さ対策をしましょう。
一才桜(旭山)が大きくなる原因と解決方法
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一才桜(旭山)を小さな鉢や盆栽として購入した場合、多くの方は小さい状態でそのまま育てたいことでしょう。
しかし、いくら矮性品種の桜と言えど、2~3mまでは大きくなろうとするので、剪定は必須です。
剪定をしなければ、植え替えをしていなくてもどんどん伸びます。
大きくしたくない場合は、適切な剪定時期に必ず剪定を行い、さらに植え替え時に古い根を取り除き、根を3/4~1/2切り詰めましょう。
樹木には、横に伸びた枝から、直角に真上に伸びる徒長枝が出ることがあります。
この枝には花は咲きずらす、どんどん伸びて樹形が崩れるだけなので、根元から切り落としましょう。
また、桜に限らず植物は、日当たりが悪いと根が徒長(間伸び:節間が伸びて形悪く生育すること)しやすいので、日当たりの良い場所で管理してくださいね。
まとめ
最後に
いかがでしょうか。
人気の一才桜(旭山)の育て方と「大きくなる」「枯れる」問題についてお話させていただきました。
桜は、剪定すると枯れるから難しい。
病害虫が発生するから育てるのは難しい。
なんて言われがちですが、ポイントさえ押さえれば、簡単に育てることができます。
特に、一才桜(旭山)はおうち時間でも気軽に桜のお花見ができるので、多くの方に人気のある桜です。
購入した年だけでなく、その先も毎年、素敵な桜をおうちで楽しんでみませんか。
それでは、素敵な一才桜(旭山)でお花見を楽しむながら、良きグリーンライフを過ごしましょう。

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