こんにちは。
たなーです。
冬になると、園芸店で美しい花色で目を引くレウイシアという多肉植物が出回ることをご存じでしょうか?

レウイシア?どんな多肉植物なんだろう??

園芸店によっては、多肉植物コーナーにあったり花苗コーナーにあったりするんですよ。
この記事を読むことで以下のことがわかります。
それでは、順を追ってお話しますね。
レウイシアとは
レウイシアとは、北アメリカ北西部~南西部原産の多肉質な高山植物です。
スベリヒユ科レウイシア属であり、ロッキー山脈などの砂礫地(されきち)や岩場、乾燥地に自生しています。
その多肉質な見た目から多肉植物として紹介されますが、分類としては山野草とも言えるんですよ。
レウイシアには、常緑タイプと夏に落葉して休眠するタイプがあります。
園芸店でよく見るタイプは、常緑タイプのレウイシア・コチレドンです。
このレウイシアの最大の特徴は、その花の美しさにあります。
ロゼット状(地表に葉を平らに広げた状態の意)の株から、スラっと花茎が伸び、作り物のような美しい花色の小花が咲くんですよ。
レウイシアがどんな植物か分かったところで、さっそく育て方についてお話しますね。
レウイシアの育て方

レウイシアは多肉植物ではありますが、葉が特別に分厚いわけでもなく、どちらかというと草花に近いような線の細さがあります。
そのため、つい可愛がり過ぎて失敗してしまう植物です。
上手に育てるポイントを順を追ってお話しますね。
日当たり
レウイシアは日当たりを好みます。
基本的には、日当たりの良い場所で育てましょう。
しかし、日本の高温多湿の夏は苦手としていますので、夏は30~50%の遮光をしてあげることが上手な育て方のポイントです。
温度
レウイシアの生育適温は15~25℃です。
この温度内で日当たりの良い場所であれば、常に花が咲き続けます。
レウイシアは、寒さに非常に強い植物です。
自生地のロッキー山脈付近の平均最低気温は約-10℃。
最低気温が-30℃になる年もあるほどです。

そんな環境で育っているため寒さにも非常に強いので安心してくださいね。
逆に、暑さについてはそれほど強くないので、寒さよりも暑さ対策が必要になります。
自生地では、平均最大気温は約32℃。
最高気温で37℃になるくらいです。
数字だけを見ると、日本の気温でも問題ないように思えますが、自生地は乾燥地帯なので、日本の高温多湿環境は苦手な環境と言えます。
そのため、夏越しには工夫が必要です。

詳しくは夏越し方法の項目でお話しますね。
水やり
レウイシアの水やりは基本的には、土がしっかり乾いたら鉢底から流れるくらいに株元にたっぷり与えます。
水やりのポイントは、「土がしっかりと乾いたら」と「株元に」です。
レウイシアは乾燥に非常に強い反面、多湿に弱いので土が常に湿っているような状態の場合は枯れる恐れがあるので注意しましょう。
また、ロゼット状の葉なので、株の上から水やりすると水が株の中心部に溜まりやすく、ムレて葉がボロボロと落ちて枯れる原因になります。
特に、夏場は水やりに気を付けてくださいね。

と言われても、土の乾燥具合がわからないんだけど。。。
という方は、こちらの水分計サスティーがおすすめです。


一目で土の乾き具合がわかるので、レウイシアに限らず様々な植物の管理に便利です。
用土
レウイシアは、砂礫地や岩場で自生しているので、水はけのよい土を好みます。
市販されている多肉植物・サボテンの土や山野草の土を使うのが、上手な育て方のポイントです。

オリジナルで土を作る場合は、小粒の軽石や鹿沼土を中心に、硬質赤玉土やベラボンなど少量加えて水はけを最優先に考えて作りましょう。
ベラボンについてはこちらの記事を参考に。

株元に中粒の軽石や鹿沼土を敷くことで、風通しが良くなり多湿を防ぐことができますよ。
肥料
レウイシアには生育期の4~6月、9月下旬~11月下旬に、規定量に薄めた液体肥料を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えましょう。
花をたくさん咲かせたい方にはこちらの液体肥料がおすすめ。
ゆっくりと長期間効く緩効性肥料もよいですが、休眠期である夏や生育が緩やかになる冬まで効果が続きレウイシアの根痛みの原因になるので、たなーはおすすめはしません。

与える場合は、置き肥タイプを葉に当たらないように土に置いて、夏や冬は取り除くようにしましょう。
植え替え
植え替え時期は、生育期の4~6月、9月下旬~11月下旬です。
生育具合によりますが、2年に1度一回り大きな鉢に植え替えましょう。
植え替える鉢は、水はけ通気性のよい素焼き鉢がおすすめです。
プラ鉢に植え替える場合は、スリットが多く水はけが良いプレステラなどがよいでしょう。
プレステラについては、こちらの記事を参考に。
園芸店で販売されているレウイシアのポットは、水持ちがよい土で植えられていることがあります。
その場合は、太い根を切らないように、なるべく土を落として植え替えると良いでしょう。
レウイシアは葉が茂っているほど根がしっかり出ていますが、植物としては根が少ない植物です。

無理して太い根を切ってしまわないように、ほどほどで大丈夫ですよ。
病害虫
レウイシアに発生しやすい病害虫として以下の3つがあります。
1:アブラムシ
どんな植物にも発生するアブラムシですが、生育期の4~6月に特にレウイシアの花芽に発生しやすいです。
日頃の観察を行いながら、見つけ次第取り除いたり、お薬で対処しましょう。
お薬は、たなーおすすめのベニカシリーズがおすすめです。
ベニカについてはこちらの記事を参考に。
2:軟腐病
軟腐病とは、細菌が原因で生じる病気です。
葉の傷口から細菌が侵入し植物内で繁殖し、養水分を移動する師菅や道管が詰まり、株がしおれてその部分から腐っていきます。
細菌が一度、侵入し腐り始めると残念ながらお薬では対処が難しいです。
そのため、この病気を予防するには、
〇葉に傷を作らないこと
〇多湿環境にしないこと
が、重要です。
葉に傷をつくらないこと
ナメクジやヨトウムシの食害による傷にも注意が必要。
多湿環境を作らないこと
高湿度条件の場合、細菌が繁殖しやすく空気中から乾燥していない傷口へ侵入しやすいため。
風通しをよくして、細菌が繁殖しにくい環境と傷口が乾燥するようにしましょう。
3:根腐れ
根腐れは、土が常に湿っていると根が呼吸できずに腐る病気です。
根が腐ると、水が吸収できずにしおれて枯れてしまう原因になります。
水のやりすぎに注意することはもちろん、受け皿をする場合は水が溜まらないようにすることが大事です。
レウイシアの冬越し

育て方の温度での項目でもお話ししましたが、レウイシアは自生地では約-20℃にも耐えるほど寒さに強い植物です。
積雪にも耐えます。
しかし、
乾いた寒風が当たり続けると葉から脱水して枯れる恐れがあるんです。
風が当たりにくい場所や風よけをしてあげることで、冬越しがさらに簡単になります。
冬は生育が緩慢な時期なので、肥料は与えず、水も土が完全に乾き切るまで与えないようにしましょう。
また、水やりも気温が下がる夕方ではなく、気温が上がり暖かいお昼の時間帯にしてくださいね。
寒さに強いので、室内に入れる必要はありませんが、室内で育てる場合は、明るい窓際で暖房の風が直接当たらないようにして育てましょう。
レウイシアの夏越し
レウイシアは冬越しよりも、夏越しに苦労します。
日本の高温多湿の環境を嫌うためです。
夏は、30~50%の遮光した環境で育てましょう。
直射日光に当たると葉焼けをしてしまうので、寒冷紗などで遮光してください。
棚の上など、風通しがよく湿気が溜まらないようにすることも大事です。
水やりは朝の涼しい時間帯にやり、葉に水が溜まらないようにしましょう。
風通しが確保できない場合は、サーキュレーターを使うことをお勧めします。


レウイシアは、夏は休眠期になりますので、肥料は与えないように。
この時期に、水切れして葉がボロボロになっても、涼しくなれば新しい葉が出てくるので安心してくださいね。
ただし、水のやりすぎや肥料が原因で葉や根が傷み煮えてしまうと、回復できないので気を付けましょう。
レウイシアの花がら摘み

レウイシアは、次々と花が咲きます。
生育適温である15~25℃の場合は、一年を通して絶え間なく咲き続けるほどです。
しかし、花がら(花が咲き終わった後の状態)をそのままにしておくと、種を作る準備に栄養が集中してしまいます。
種を作り始めると花が咲かなくなるので、種を取る場合でなければ花茎を根元から取り除きましょう。

この時、花茎を回すようにすると、簡単に綺麗に取れますよ。
レウイシアの増やし方
おはようございます。
— 繭𓂃 ✿𓈒𓏸 (@mlqc77q) July 1, 2022
#レウイシア
#庭の pic.twitter.com/ipOID8P9qD
レウイシアの増やし方には、「葉挿し」と「種まき」があります。
レウイシアの葉挿しは成功確率が低いので、種まきの方が簡単に増やすことができるんですよ。
ここでは、種まきについてお話します。
レウイシアは花がらをそのままにしておくと、簡単に種を作ります。
そのままにすると、種がこぼれて落ちてしまうので、花がらをまとめて不識布の袋(ティーパックの袋など)で覆ってしまうか、種子がはじける前に花茎ごと収穫してしまいましょう。
種は、黒い艶のあるゴマのような種です。

袋で覆っている場合は、はじけた種子を回収し、花茎ごと収穫した場合は、乾燥させカラカラになったら、揉んで種を収穫するとよいですよ。
種まきは、2~4月が行いやすいでしょう。
秋の10~11月も種まきできますが、気温が低くなっていくので、発芽しても育てにくい環境になります。
夏以降に収穫した種は、冷蔵庫などで保管するとよいですよ。
レウイシアの種は、寒さを経験することで発芽しやすくなる(春化:しゅんか)傾向があるので、種を冷蔵庫などに保存すると種まき後の発芽率が良くなります。
土は、市販の種まき用の土や肥料分の入っていない小粒の赤玉土やバーミキュライトを使うと良いでしょう。
肥料分が入っていると発芽しにくいので気を付けてくださいね。
種まきは土を被せずに、土が乾燥しないように明るい日陰で管理しましょう。
1週間ほどで発芽しますので、本葉が4~6枚ほどになったら優しく掘り上げて、3号ポット程の小さな鉢(直径約9cm)に植え替えて、日当たりの良い場所で育ててくださいね。
無事に夏越しまでできれば、涼しくなる秋に綺麗な花を咲かせてくれることでしょう。
ぜひ、挑戦してみてくださいね。
まとめ

最後に

いかがでしょうか。
多肉質の高山植物レウイシアの育て方についてお話させていただきました。
基本的には、多肉植物の春秋型と同様に育てて大丈夫ですが、特に夏場には気を付けましょう。
たなーが園芸店時代は、お客様から「冬に室内の暖かいところで可愛がってたら枯れた。。。」「夏に溶けた。。。」というお声が多かったです。
冬は寒さに強いので安心して寒い環境で育てて、夏はできるだけ涼しい環境で管理することが、上手な育て方になります。
レウイシアは花色も豊富で非常に美しい花なので、ぜひ楽しんでくださいね。
最近では、レウイシア エリーゼなど暑さにも強い品種も出ていますので、夏に失敗した経験がある方は、こちらのエリーゼの方が育てやすいかもしれません。
それでは、可愛いレウイシアを上手に冬越し夏越しさせて、美しい花を楽しみながら良きグリーンライフを過ごしましょう。
コメント
レウイシアは何時までなら植え替えが可能なんですか?今の時期に植え替えしても良いのですか?
キムラ様、コメントありがとうございます。
お返事が遅くなり申し訳ありません。
記事にも書いてある通りレウイシアの植え替え時期は生育期の春(4~6月)と秋(9月下旬~11月下旬)です。
お住まいの地域にもよりますが、お昼の時間帯が15℃程度あれば十分に植え替えができますよ。
レウイシアは寒さに強いので、10℃以下でも根鉢を崩さなければ平気です。
大変ありがとうございます。温度も10以下になって来たのでむりなので来年植え替え時期にしようと思います。
株分けについて株分けすると根っこがない小株の根っこの出し方を教えて下さい。まだ株分け時期できるので宜しくお願いします。
キムラ様
ご質問ありがとうございます。
レウイシアが順調に育っているようで何よりです。
さて、株分けについてですが、
レウイシアの株分けは、葉挿し同様に難易度高めです。
もし、株分けする場合は、繋がっている茎部分が残るように丁寧に切り取ります。
その後、切り口にルートン(発根促進剤)を付けて、多肉植物の土や挿し木挿し芽の土など水はけのよい土に植え付けてください。
これから、梅雨の高湿度や夏の高温があるので、明るい日陰に置いて蒸れないように管理することが重要です。
レウイシアは多肉質なので、株分けした子株がすぐに枯れることはないと思いますが、発根には時間がかかるかもしれません。
発根して新芽が出てくるまで、あまり抜き差しせず見守ってください。
これからも、ぜひレウイシアを楽しんでくださいね!
ありがとうございます。