土の代用品になるベラボンを紹介|メリットとデメリットについて

植物資材
ハオルチア“宝草” ベラボン植え
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こんにちは。

たなーです。

いきなりですが、ベラボンって聞いたことがありますか?

聞いたことないなぁ。。なにそれ?

園芸コーナーの棚で見たことあるかもしれないわ。。

「聞いたことないなぁ」「園芸コーナーの棚で見たことあるかも」と思う方は多いのではないでしょうか?

ベラボンはマルチングや土壌改良剤などに使用されますが、土の代用品としても使用されます。

今回は土の代用品としてのベラボンについてお話していきたいと思います。
たなー
たなー

ベラボンを上手に使えば、多肉植物や花苗、観葉植物などを清潔に育てられます。土に混ぜて排水性や保水性、通気性アップにも効果的です。

ベラボンとは

ベラボンとは

サキュレント用 ベラボン

ベラボンとは、簡単に言うとヤシの実の繊維を特殊加工したものです。

ヤシの実は、島から島へと海を渡り流れ着くぐらいに水をはじきます。そのヤシの実の繊維を加工してチップ状や繊維状にし、吸水性を持たせている状態がベラボンです。

ヤシの実には、タンニンという成分が含まれています。本来、タンニンは根の生育を阻害する成分。そのためヤシの実の繊維は使用できません。

販売されているベラボンには「あく抜き」と表記されています。「あく抜き」とは、タンニンを取り除いている意味です。

ベラボンは水をはじく

ベラボンは水をはじく

ガラスにベラボンと水を入れている状態

ベラボンに水を加えると写真のように、最初は水をはじいて浮いています(底に水が溜まって、ベラボンが浮いています)。

乾燥したベラボン単一に植物を植え付けて水やりしても、ベラボンが水をはじいてしまうため根が吸水できません。ベラボンのみで植物を植える場合は、あらかじめベラボンと水を混ぜるようにかき混ぜて吸水させて、手で余分な水を絞った状態にしておくとよいでしょう。

水苔を水で柔らかくして使う方法と同じと考えるとわかりやすいかもしれません。市販の園芸用土と混ぜ込む際は、乾燥した状態で問題ありません。

ベラボンの種類

ベラボンの種類は以下の3種類です。

  1. ベラボン・プレミアム
  2. ベラボン・サキュレント
  3. あく抜きベラボン

それぞれ紹介します。

ベラボン・プレミアム

従来の「あく抜きベラボン」をさらに加工して、ふるいで選別。均一な繊維やチップになっています。また、あく抜きもよりしっかり行われているので、安心して清潔に植物を育てることが可能です。

ギャザリングと呼ばれる特殊な寄せ植え技術にも対応できるベラボンとなっています。

ベラボン・サキュレント

ベラボン・プレミアムを多肉植物に使いやすいようにさらに細かく繊維質にしたものです。ベラボンは通気性が抜群によいため、過湿環境を嫌う多肉植物の土の代用として最適。

鉢の中に空気の層ができるため、保温性にも優れかつ排水性もよいため、ハオルチアやエケベリアがよく育ちます。

たなー
たなー

上記はたなーのツイッターで紹介した、宝草のベラボン植えの経過報告です。穴の開いていないガラス容器で、びっしりと根が張っているのがわかりますね!

あく抜きベラボン

「ベラボンと言えばこれ」と言われるほど、代表的なあく抜きベラボン。さまざまな植物に使用できます。

サイズは、以下の通り。

  • S:おがくず状
  • M:約5ミリ角
  • L:約14ミリ角

容量は4L・20L・60Lとそれぞれあります。ここでは4Lを紹介していますが、吸水すると膨れる点と土に混ぜ込んで使用するくらいであれば、4Lくらいで十分です。ベラボン単一で複数の植物を植えたい場合は20Lを選ぶとよいでしょう。

たなー
たなー

Sサイズは、おがくず状なので、育苗や挿し芽挿し木に便利です。また、ウチョウランや花苗などの用土に1~2割ほど混ぜるのもおすすめ。ウチョウランの育て方に悩んだときは、ぜひ土に混ぜ込んでみてください。

たなー
たなー

Mサイズは、観葉植物やバラ、キク、洋ランなどに様々な植物に使用できます。特に洋ラン全般にはベラボン単一用土で使用してみるとよいでしょう。ちなみにたなーは、青色胡蝶蘭ブルージーンをベラボン植えして育ててます。

たなー
たなー

Lサイズになると、土の代用というよりも鉢底石の代用として使用したり花壇やお庭のマルチングとして利用したりします。マルチングに使用する場合は、1㎡約40Lが目安です。そのため、マルチング目的であれば、60L袋がおすすめ。

ベラボンのメリット

ベラボンのメリット

ベラボンのメリットは、以下の6つです。

  1. 吸水・保水・排水・通気性に優れる
  2. とにかく軽い
  3. 清潔
  4. 穴の開いていない容器にも使用可能
  5. 腐りにくい
  6. 可燃ごみとして処分できる

吸水・保水・排水・通気性に優れる

ベラボンは吸水・保水・排水・通気性に優れます

ベラボンのチップや繊維は一つ一つが吸水し、保水する能力が高いです。吸水できない余分な水は、はじく力が加わり速やかに排水されます。

ベラボンは水を吸うと1.5倍に膨らみ、根が水を吸収したりベラボンが自然乾燥したりすると収縮するため、鉢内で膨張収縮する特徴も持ちます。

膨張収縮の動きによって自然と空気の通り道ができるため、根に新鮮な空気がいき渡ることに。通気性の良い環境は、根の張りを促進させるため、植物はより健康的に育ちます。

土が劣化して団粒構造がなくなった結果、水はけが悪くなり根腐れすることがないため、土の代用品として非常に使いやすいでしょう。

とにかく軽い

一般的に市販されている培養土と比べ、水を含んだとしても1/3ほどの軽さです。

園芸店で土を購入しても、自転車や歩きの場合は持ち帰りに苦労すると思います。しかし、ベラボンだと持ち運びしやすいです。

軽い点は購入後の持ち運びだけではなく、植え込んだ鉢植えや寄せ植えでもメリットとして働きます。土の場合、吸水後は重くなるため移動が大変ですが、ベラボンは重さが約1/3。

大きな鉢に植えても、比較的簡単に移動させることができます。

清潔

ベラボンはあく抜き処理をしているため、無菌・無臭で清潔です。

手も汚れません。室内でも観葉植物や多肉植物などを清潔に管理できます。

穴の開いていない容器にも使用可能

ベラボンの膨張収縮効果により通気性が保たれるため、穴の開いていない鉢でも根が腐りにくいです。そのため、穴の開いていない容器にベラボンで植物を植え替えると、土よりも生育がよくなります。

ただし、水やり過ぎで穴の開いていない容器に常に水が溜まっていると、根腐れする危険はあるので気を付けてください。膨張収縮が行われるように水やりは乾燥具合を確認して行いましょう。

腐りにくい

ベラボンはヤシの実が原料のため、腐りにくい性質を持っています。海を長い期間漂うことが可能なヤシの実の繊維は、強健で崩れにくく腐ることも少ないです。

約5年間はそのまま使用できます。腐りにくいという点は、カビやコバエなどの病害虫発生予防にも効果的です。

可燃ごみとして処分できる

ベラボンはヤシの実の繊維チップであり、土の代用品です。土ではないため、燃えるごみとして処分できます。

植物が枯れて使用しなくなったベラボンは、可燃ごみとして処分が可能。土の場合は自治体によっては処分が大変なこともあるため、非常に便利な素材だと思います。

また畑や庭がある場合は、土に使用済みベラボンをすきこむと土壌改良になります。お庭や花壇の通気性や排水性改善のために混ぜ込んでみてはいかがでしょうか。

ベラボンのデメリット

ベラボンのデメリット

ベラボンのデメリットを紹介します。メリットとデメリットは表裏一体です。

良い点も角度を変えれば、デメリットになりえます。ベラボンのデメリットは以下の2つです。

  1. 軽すぎる
  2. 肥料分が入っていない

軽すぎる

軽いということはメリットでもありますが、デメリットでもあります。

大きな植物を土の代用としてベラボン単一で鉢植えした場合、重心が下にないため強風が吹いたり、ぶつかったりすると植物が倒れやすいです。根が張っていたとしても、ベラボンそのものが軽いので根ごと持ち上がってしまいます。

そのため、大きい植物を植える場合は、鉢はプラスチックのような軽い鉢ではなく、テラコッタや陶磁鉢のような重い鉢を使用してください。鉢に物に当たっても、揺れない鉢が安心です。

また、ベラボン単一ではなく、無菌の硬質赤玉土を半分混ぜるのもよいでしょう。赤玉土は吸水すると重みが出るため、重心も下になって根も活着しやすくなり安定します。

肥料分が入ってない

あく抜き処理をしていることもあって、ベラボンそのものに肥料分はありません。

ベラボンを土の代用として使用する場合は、あらかじめ元肥を混ぜ込みましょう。または追肥として液体肥料や固形肥料を別途与えてください。

まとめ

まとめ

ベラボンとは、ヤシの実繊維をあく抜きし、特殊加工した土としても代用できる土壌改良材です。
ベラボンのメリットは、『膨張収縮による根の張りの良さ』『無菌で清潔』『軽い』『腐りにくくコストパフォーマンスが高い』『燃えるごみとして処分可能』『穴が開いていない容器にも使用可能』な点です。
ベラボンのデメリットは、『軽すぎるがゆえに、大きな植物を植えるには不向き』『栄養が入っていない』点です。

最後に

最後に

ハオルチア 宝草 ベラボン植え

いかがでしょうか。

たなーも愛用しているベラボンの紹介でした。たなーはベラボン単品でも植えますが、他植物の土にも1~2割ほど混ぜ込んで、土の環境を整える目的でも使用しています。

実は、ベラボン自体は約40年も前から生産農家さんに愛用されている歴史があります。近年では記事でも紹介したように家庭園芸に使いやすいように、チップの大きさや用途別に様々なベラボンが販売されているので安心してください。

「家の中に土を入れたくない」「コバエの発生が気になる」といった方に、土の代用としておすすめの資材です。ガラス容器に入れてもおしゃれな雰囲気になります。

ベラボンを使ったことがない方は、ぜひ使って植物を育ててみてはいかがでしょうか。それでは、ベラボン植えの植物を楽しんで良きグリーンライフをすごしてください。

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