こんにちは。
たなーです。
いきなりですが、ウチョウランって知っていますか?

ウチョウラン。。。??ランって言うぐらいだから、豪華な花が咲く蘭なのかしら?
ランと聞くと、コチョウランのように豪華な花の蘭を思い浮かべる方も多いと思います。
しかし、ウチョウランは山野草として、風に揺られるほどの小さな花姿が美しい蘭なんですよ。
とても可愛らしい反面、うまく育てられなかったという方が多い植物でもあります。
ウチョウランを育てるにあたって、大事なポイントがあるんです。
そのポイントさえ押さえれば、蘭の中ではとても育てやすい部類になります。
この記事を読むことで以下のことがわかります。
それでは、順を追ってお話ししていきますね。
1.ウチョウランとは

ウチョウラン
ウチョウランは、ラン科ウチョウラン属の球根植物です。
原産地は日本、朝鮮半島になります。
そのため、日本は育てやすい環境なんですよ。
ウチョウランは、日本各地の山地の崖や、岩の多い急斜面などに自生していることから、岩蘭(いわらん)とも呼ばれます。
岩蘭の名前でご存じの方もいるかもしれませんね。
ウチョウランは、各自生地の環境によって独自の進化をしており、花の色合い、大きさ、葉の付き方などが違い、コレクターからも非常に人気な植物なんです。
しかし、昭和40年ごろの山野草ブームにより乱獲され、現在では野生のウチョウランはほとんど見られることはなくなりました。

ウチョウランは乱獲されるほど、当時は価値が高く高値で取引されていたそうです。ウチョウランにとって、つらい過去ですね。
その反面、品種改良など育種が進み、園芸種として育てやすいウチョウランが手頃な価格で手に入るようになっています。
ウチョウランは漢字で「羽蝶蘭」と書き、蝶々が飛んでいる姿に似ていることから名付けられており、非常に可愛い花が特徴です。
花色も、白、ピンク、紫、赤、黄色、複色と豊富にあります。
開花期は6月~7月ですが、ユメチドリなどの園芸品種は開花期がさらに長いものもあるんですよ。
ウチョウランがどんな花なのか分かったところで、どんな種類があるのかお話ししますね。
2.ウチョウランの種類

ウチョウラン アワチドリとユメチドリ
代表的な種類は以下の通りです。
ウチョウラン
自生地:本州北部~九州
アワチドリ
自生地:千葉県房総半島
クロカミラン
自生地:佐賀県黒髪山周辺
サツマチドリ
自生地:鹿児島県下甑島(しもこしきしま)
ヒナチドリ
自生地:北海道~本州
ニョホウチドリ
自生地:関東~中部地方
ユメチドリ、スズチドリなど園芸品種
上記の原種の掛け合わせなどで生まれた園芸品種で、現在よく見られる種類です。
ウチョウラン属とは日本名であり、正確にはPonerorchis (属名:ポネロルキス) になります。
ややこしいのが、この属に対して、変種を含む複数の種があるのですが、その中にもウチョウランという名前の種類がいるんですね。
つまりウチョウラン属にウチョウランという種があることになります。

ウチョウランだけがウチョウランではなく、アワチドリもユメチドリもウチョウラン。。。。ややこしいですね(笑)
蘭の仲間だから、育てるのは難しいと思っていませんか?
実は、ポイントさえ押さえれば簡単に育てることができるんですよ。
それでは、ウチョウランの育て方をお話ししますね。
3.ウチョウランの育て方
日当たり・置き場所
基本的には直射日光は避けて、明るい日陰で育てましょう。
春や秋は、朝の1~2時間だけ日光が当たるとベストです。
暗い日陰の場合は、茎がひょろひょろになるので気を付けてくださいね。
春から秋は、基本的には雨の当たらない風通しの良い場所で管理しましょう。
特に新芽が出始める春に雨が当たると病気の原因になるので注意が必要です。

開花時期の6月~7月に冷房の効いている涼しい環境だと花を長く楽しめますよ。ただし、風通しと急激な温度変化に気を付けましょうね。
用土
山野草の土やウチョウランの土で十分によく育ちます。
もし、オリジナルで作る場合は、水はけを意識して土をブレンドしましょう。
オリジナルで作る場合の用土については、本やネットに様々ありますが、品種や栽培環境によるところが大きいので、生産者や上級者でなければ、山野草の土を使うことをお勧めします。

ウチョウランは多湿を嫌いますので、土の水はけを意識しましょう。
水やり
ウチョウランを育てるにあたって、非常に重要で押さえるべきポイントが水やりです。
冬以外は、土の表面が乾いたらしっかりと水をやりましょう。
水やりは朝の涼しい時間帯に行うことがポイントです。
午後以降に水をやると、気温上昇に伴って多湿状態になり病気の原因になります。
ウチョウランは多湿状態をとても嫌いますので、水が花や葉に溜まると枯れる原因になることが多いんです。
そのため、水やりは葉にかからないように株元に行い、受け皿に水を溜めることもしないようにしてくださいね。

特に梅雨時期は多湿シーズンなので、土が乾きにくいです。乾いてなければ水やりはしないように。
肥料
肥料は、球根を植えるときに、ゆっくり効く緩効性肥料を土に少量混ぜておきましょう。
なるべく、リンとカリが多い肥料がおすすめです。
リンは花を咲かせる栄養素で、カリは根や球根を育てる栄養素なんですよ。
春から夏は、市販の即効性のある液体肥料を水に薄めて、月に2~3回水やり代わりに与えてあげましょう。
秋から枯れるまでは、球根に来春以降の栄養を蓄えさせるために、カリの多い肥料を与えることがポイントです。

有機肥料や窒素が多い肥料はアブラムシを引き寄せる傾向があるので注意しましょう。
病害虫
発生しやすい病害虫は以下の通りです。
害虫
アブラムシ
アブラムシはウイルスを媒介しますので、日頃の観察で見つけたら、市販の殺虫剤で対処しましょう。
吸汁害虫なので、徐々に弱っていきます。
しかし、それ以上にウイルス病などの二次被害が危険です。
病気
灰色かび病
梅雨時期の多湿条件や、花や葉に水が溜まると発生しやすい病気です。
症状として、根元から倒れたり、花や葉に黒い斑点ができたり、枯葉に灰色のかびが発生したりします。
特に、新芽が出たあとの5月頃に、灰色かび病菌が発生し始めるので、このタイミングで、予防として殺菌剤を噴霧してあげましょう。
ウイルス病
本来、ウチョウランはウイルス病にはかかりにくい植物です。
ウイルス病になる原因は、アブラムシなどの吸汁害虫からの媒介になります。
そのため、まずはアブラムシに気を付けることが重要です。
症状として、葉のねじれや不規則な斑点、奇形の花が発生します。
ウイルス病になった場合は、他の植物に移り、治す手立てがありませんので残念ですが、処分しましょう。

最近は特に夏は高温になったりと環境が変化しているので、新たな害虫や病気の発生もあります。上記のアブラムシや灰色かび病などには、たなーおすすめの殺虫殺菌剤のベニカシリーズが効きますよ。
おすすめのベニカXネクストスプレーについてはこちらの記事を参考に。

病害虫の心配もなくなれば、あとは夏越しと、冬越しですね。
まずは夏越しについてお話ししますね。
4.ウチョウランの夏越しについて
夏越しがうまくいかない方も多いのではないでしょうか?
でも、実は夏越しはそんなに難しいことではないんですよ。
ウチョウランは、特別暑さに弱いわけではありません。
そのため、うまくいかない原因は水やりと風通しがほとんどです。
小さい鉢で水はけのよい土に植わっているので、土の渇きが特に早くなります。
夏は、朝にしっかり、夕方の涼しい時間に再びしっかり水やりしましょう。
もちろん、葉や花に当たらないように。
また、高温期は水やり後に、水の蒸発で多湿になりやすいので、湿気が溜まらないように風通しが大事です。
直射日光を避けて、他の植物との間隔をあけ、コンクリートの照り返しなどがないような場所で管理しましょう。

高温になるお昼は水やりを避けて朝夕に2回水やり、直射日光の当たらない場所で、ラックや小さな棚などで地面から離してあげると良いですよ。
夏を超えれば、あとは冬越しですね。
5.ウチョウランの冬越しについて
冬の間に、球根をだめにしてしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
原種のタイプは秋早めに枯れてきますが、ユメチドリなど園芸品種は、秋遅くまで葉が残り、冬手前で葉が枯れてきます。
この時に、枯らしてしまったと思う方もいるかもしれませんが、ウチョウランは球根状態で冬を越しますので安心してくださいね。
葉が枯れてきたら、水やりはやらず、春まで断水しましょう。
この時に、中途半端に水をやると、球根が腐る恐れがあります。
また、枝葉がすべて枯れたら、枯れ枝などは綺麗に取り除きます。
その時に球根は掘り起こさないように、そのまま土の中で管理しましょう。
冬は雪や霜が当たらず、気温変化が激しい場所でなければ、そのまま春まで置きっぱなしで大丈夫です。
雪や霜が被るようなら、玄関などの室内で暖房が効かない場所に移動させましょう。
3~4月と春暖かくなり始めたら、水やりをしてあげると、少しずつ新芽が出てきますよ。

冬はとにかく、水をやらないこと。凍結するような場所や暖房が当たらない場所に鉢ごとおいておきましょう。ここでもポイントは水ですね。
ウチョウランは球根で増やす方法と種で増やす方法があります。
しかし、種で増やす方法は難しいので今回は球根での増やし方をお話しします。
6.ウチョウランの増やし方
ウチョウランを増やすのは難しいと思っていませんか?
種からは難しいのですが、球根では簡単に増やすことができるんですよ。
それが分球(ぶんきゅう)という方法になります。
ウチョウランは球根植物なので、夏から秋の枯れるまでに、カリ分の多い肥料を与えることで、土の中で球根が大きくなり、さらに増えてきます。
カリは根や球根に必要な栄養素でしたね。
そのため、植え替えのタイミングで、球根を掘りだし、増えた球根を新たに植えるだけで増えていきます。

夏から秋の枯れるまでの肥料やりが、球根を増やすポイントです。
ちなみに、ウチョウランの種の採取方法は、花が咲いているときにつまようじで、花粉を採取して受粉させる必要があります。
その後、採取した種は秋、または春に撒きますが、通常の植物の種と違い、蘭の種子には、発芽のための栄養素がありません(無胚乳種子)。
近くにラン科の植物があることで、ラン菌(ランと共生する菌)の協力を得て、栄養をもらい発芽することができます。

生産者や上級者でもない限り、成功率はかなり低いので、種からは難しいです。
増えた球根を植え替えるためには、一度土から出して植え替える必要がありますね。
植え替えについてお話しします。
7.ウチョウランの植え替え方と上下の確認
ウチョウランの種を植えるときに上下がわからない方が多いのではないかと思います。
その点も含めてお話ししますね。
ウチョウランは、毎年は植え替える必要はありませんが、2~3年に1度は植え替えましょう。
そのころには、鉢の中に球根が増えていることでしょう。
しかし、花付きの苗を購入した翌年は、土を新しくするためにも植え替えが必要です。
ウチョウランは生育期には植え替えしないようにしましょう。
根痛みで枯れる可能性があるためです。
植え替えの時期は2~3月。
土から球根を掘りだしましょう。
4月になると新芽が出始めてる可能性があるので、気を付けてください。
その新芽が折れると、今年は花が咲きません。
掘り出した球根は、やや楕円の形をしており、2mm~4cmほどの大きさです。
球根は新芽が出る部分の方が尖っていますので、そちらを必ず上にして植えましょう。
植え付ける前に球根の消毒として、殺菌剤のオーソサイド水和剤をまぶしておくと、病気予防としてさらに良いですよ。

もし、球根の上下がわからない時は、横に寝かせて植えてあげれば大丈夫!どちらが上下でも、必ず新芽は上に、根は下に動くからです。
植える鉢は、1球なら2号サイズ(直径約6cm)の鉢に、3~4球まとめて植える場合は2.5号サイズ(直径約7.5cm)の鉢がおすすめです。

1球で育てるよりも複数で育てたほうが、それぞれが競争して大きく育ちやすいよ。
大きい鉢だと、土が乾かず多湿状態になります。
これだと枯れやすいため気を付けましょうね。
鉢もできれば縦長い鉢で、通気性の良い素焼き鉢の方が育てやすいですよ。
球根に約1cm覆土して(土を被せること)、しっかり水を与えておくと4月ぐらいから新芽が出てきます。
綺麗な花が咲くのが楽しみですね。
それでは、まとめましょう。
8.まとめ
9.最後に

ウチョウラン ユメチドリとアワチドリ
いかがでしょうか。
とても可愛いウチョウランの種類と育て方、植え替えについてご紹介させていただきました。
蘭と聞くだけで、育てるのは難しそう。。。
と思いがちですが、ウチョウランは何より球根植物で多年草です。
枝葉が枯れても球根は生きているんです。
それだけでも育てやすいと思いませんか。
日本の原産の山野草としての、風に揺らぐ花の可愛らしさ美しさはとても風情があります。
そんなウチョウランの花言葉は静かな愛情。
ぜひ、愛情を育みながら、育てやすい園芸品種から挑戦してみてください。
それでは、ウチョウランを育てて良きグリーンライフを過ごしましょう。
コメント
ウチョウラン!初めて聞く植物だったー。名前と雰囲気は似てるけどコチョウランとは違うんだよね⁇
まーちゃんさん、こんにちは!
名前そっくりだけど、コチョウランとは違うよ!
でも、同じラン科の植物なんだよ。
球根だから育てやすくて増やしやすいのもうれしいところだね(#^^#)