こんにちは。
たなーです。
春の訪れを告げる小さな花、スミレ。
春になると、道路のコンクリートの隙間や公園、庭先にもいつの間にか咲いていることもあります。
世界には400種以上のスミレが存在しており、日本には50種以上のスミレが野山に自生しているのはご存じでしょうか。
自然界でも色変わりや交雑種が発見されているので、人為的な品種改良も含めると増えています。
花色や葉のバリエーションが非常に多いスミレは、昔から愛好家に親しまれている植物です。
可愛らしい花は、植物を育てたことのない方にも認知されており、室内室外問わず様々な道具のモチーフにもなっていますね。
馴染みがあるからこそ、育ててみると。。。

スミレが枯れるんだけど。。。?

スミレの室内での育て方を知りたいんだけど。。。?
この記事を読むことで以下のことがわかります。
それでは、順を追ってお話しします。
スミレの育て方
スミレの育て方の前に、スミレには様々な種類があります。
主な種類は以下の4系統。
- 原種系
- 交雑種系
- 外国種系
- パルマスミレ・ニオイスミレ系
これらの系統のおすすめ品種や特徴は、最後にリンクで紹介しますのでお楽しみに。
それでは、早速育て方についてお話しします。
日当たりと置き場所
道端でも見かけることのできるスミレ。
そのスミレの多くは、野山の落葉樹の下などに自生している山野草です。
そのため、半日陰の風通しの良い場所を好みます。
風通しが良いと言っても乾燥しておらず落ち葉などが湿り気を持つので、やや湿った状態が最も育つ環境です。
スミレから派生したパンジー、ビオラのように日当たりのよい環境で育てると枯れる恐れがあります。
直射日光や西日を避けて育てることがポイントです。
用土
基本的には、水はけのよい土を好みます。
初めてスミレを育てる方には、市販の山野草の土がおすすめ。
多湿を好みますが、パンジーやビオラのように水持ちのよい草花の土で植えると、根腐れを引き起こしてしまいます。
オリジナルで土を作る場合は、硬質鹿沼土(小粒):硬質赤玉土(小粒):軽石(小粒):もみ殻燻炭=3:3:3:1がおすすめです。
鹿沼土や赤玉土、軽石は混ぜ込む前に、ふるいで微塵を取り除いておくと微塵のない粒度の整った土になります。
その結果、水はけがよくなり、根腐れを防止できるでしょう。
スミレが枯れる原因に根腐れがあるので、土をふるいにかけるだけでも育ち方が変わります。

もみ殻燻炭を少量入れているのも根腐れ防止のためです。
タチツボスミレやニオイスミレには、ベラボン(ヤシ殻チップ)を1~2割入れると、さらに良く育ちます。

花ごころさんの山野草の土は、どの山野草にも使いやすく根腐れ防止のゼオライト入り。水はけ加減の調節のため、小粒の赤玉土を加えてアレンジしてもOKです。


たなーも愛用しているベラボン。すべての植物に使い勝手良く使用できます。詳しい内容は以下のリンクをチェックしてね。
植え付け・植え替え
スミレの植え付け・植え替え適期は4~5月です。
そのため、それ以前に苗を手に入れたら、花が咲くまでプラ鉢やポット苗のまま育ててください。
植え替えは年に一度行います。
花を楽しんだ後は、おそらく根がよく張っている状態です。
根詰まりしている場合は、軽くほぐし、黒ずんだ根を優しく取り除きます。
1苗であれば、3~5号(直径9~15㎝)ほどの山野草鉢やテラコッタがおすすめ。
もちろん、プラスチックや陶器鉢でも育つので安心してください。
ただし、素焼き鉢は土の乾燥が早すぎてスミレが枯れる原因に。
そのため、管理が難しくなるかもしれません。
気を付けましょう。
また、基本的に浅い鉢はスミレには向いていません。
初めて育てる方は、やや深めの鉢を選んで育ててください。


プラスチックやテラコッタも良いですが、雰囲気のある和鉢・山野草鉢に植えると花がグッと引き立ちます。


鉢にこだわると山野草としての高級感が出てきますね。
水やり
基本的には、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れるくらいにたっぷりと水やりします。
受け皿をする場合は、溜まった水はこまめに捨ててください。
根腐れによって枯れる原因になるので、注意が必要です。
しかし、スミレを上手に育てるためには過湿にならない程度に土を湿った状態にしておくことがポイント。
だからこそ、水はけのよい山野草の土を使うことが重要になります。

土がサラッと湿っている感じを目指しましょう。
夏の時期など、気温が高い日は早朝や夕方の涼しい時間帯に水やりしてください。
夏の高温時期、お昼近くに水やりすると土の中で根が蒸れてしまいます。
その結果、枯れることになるので注意しましょう。
スミレには、常緑タイプと冬は休眠して地上部がなくなるタイプの2種類に分かれます。
どちらも表土が乾いたら、定期的に水やりしてください。
特に、地上部が枯れてなくなるタイプは、水やりを忘れてしまいがちになります。
冬の期間の水やり頻度は多くはないですが、土を完全に乾燥させないことがポイントです。
肥料
植え付け、植え替えの時に緩効性肥料を土に混ぜ込んでおくだけで十分です。
元肥入りの山野草の土の場合は、新たに加える必要はありません。
肥料を入れていない場合は、新芽が動き出す春先や秋に緩効性肥料を株元に置き肥しましょう。
液肥の場合は、規定の薄め方よりさらに2倍薄めて秋と春に月2回与えます。

例えば、草花に1000倍希釈なら2000倍に。という感じです。
8月以降、夏に肥料を与えると根痛みの原因になります。
枯れる恐れもあるので、夏の肥料やりは控えましょう。
置き肥も取り除いてください。

※IB化成とは、イソブチルアルデヒド縮合尿素(IBDU)を配合した緩効性肥料。どの植物にも適用できるようにバランスよく成分を配合されているものがほとんどで、プロの農家さんもよく使用していますこちらは、その山野草用IB化成肥料です。

アブラムシに悩まされる場合は、殺虫剤入りのマグァンプDが元肥におすすめ。また、置き肥で育てるならば、山野草用肥料のIB化成。液肥で花をたくさん咲かせたいなら、たなーも使ってるトップクオリティ。
病害虫
スミレの主な害虫は、以下の4種。
- アブラムシ
- ナメクジ
- ハダニ
- ツマグロヒョウモンチョウの幼虫
害虫は日頃の観察で見つけ次第、捕殺してください。
被害が大きい場合は薬剤で対処しましょう。
主な病気は、以下の2つ。
- そうか病:白いカサブタのようなぶつぶつの発生
- 灰色かび病:灰色のカビの発生
雨に直接当たる場所で育てた場合や高温高湿度の梅雨から夏、台風後に上記の病気になりやすいです。
風通しの良い場所で育てることはもちろんですが、病気が発生した場合は初期段階で定期的な薬剤散布を行いましょう。


ダニに関しては殺ダニをおすすめしますが、それ以外の害虫にはたなーおすすめのベニカXネクストスプレー。ベニカXネクストスプレーについては以下の詳細を参考に。そうか病や灰色カビ病には、カビの糸状菌に効果的なベンレートなどがおすすめ。
春夏秋冬の管理ポイント
基本的なスミレの育て方にお話ししました。
上記を踏まえて育てることで、スミレが枯れる心配は少ないと考えられます。
しかし、季節によって日当たりや温度、室内に入れたほうが良いのかどうか悩むことも多いでしょう。
そこで、ここからは季節ごとに注意すべき管理ポイントを解説します。
春の管理ポイント
春はスミレが咲く季節です。
明るい場所に置いて、緩効性肥料または液体肥料を与えましょう。
交配したり増やしたりするために種子を取る目的でなければ、花後は病気を避けるために株元から摘み取ります。
種子を取る場合も、枯れた花びらは取り除くことが重要です。
枯れ落ちた花びらが、水やりで濡れてカビが生えると病気の原因になります。
夏の管理ポイント
夏の高温多湿は、できるだけ避けます。
そのため、直射日光が当たらないように風通しがよい半日陰や明るい日陰になる場所に移動させてください。
日陰になる場所がない場合は、遮光率50~75%の寒冷紗をして日陰を作りましょう。
夏は、スミレが葉を茂らせる時期でもあります。
強い直射日光や乾燥、病害虫で葉を傷めないように育てることがポイント。
直接地面に置くと反射熱で高温になり、枯れる恐れがあります。
棚などを利用して地面から距離を置くと、反射熱も影響しにくく風通しも確保しやすいです。
特に、コンクリートなどに直接置かないようにしてください。
肥料の項目でもお話ししましたが、夏に肥料を与えると根痛みするので与えないようにします。
秋の管理ポイント
夏に引き続き半日陰で管理してください。
寒冷紗をしている場合は、日差しが弱くなってきたら遮光率を下げて明るめに管理します。
常緑性のスミレを除けば、秋の気温が下がるにつれて葉が黄色に変化するので、枯れた葉は綺麗に取り除いてください。
枯れた葉をそのままにしていると病害虫発生の原因になります。
また、春に植え替えをしていなかったり肥料を与えていないかったりした場合は、植え替え作業や緩効性肥料やりをしてください。
種類によっては、秋に戻り咲きする(秋にもう一度咲く現象)スミレもあります。
その場合も肥料を与えたほうが綺麗に楽しめるでしょう。
また、スミレは花が咲かなくても種子を作る性質を持ちます。
この花が咲かない状態を閉鎖花と呼ぶことをご存じでしょうか。
初めて育てる方には不思議な現象に見えることですが、よくあることなので心配しないでくださいね。
種子ができると株が弱る原因になるので、不要な種は早めに取り除いてください。
これは、開花期である春にも同じく言えるポイントです。
冬の管理ポイント
半日陰や日陰の屋外で管理します。
暖かい室内や室内と屋外を入れたり出したりするなどの管理方法では春に花が咲かない可能性が高いです。
多くの種類は、12月ごろになると葉が枯れて地上部がなくなり休眠期に入ります。
しかし、パルマスミレ・ニオイスミレの系統は常緑性です。
さらにタチツボスミレなどの有茎種は冬も地上部が完全にはなくなりません。
どちらの種類でも地上部に葉がある場合は、カビを防ぐためにも枯れた葉はこまめに綺麗に取り除くことがポイント。
枯れた葉が濡れてカビが発生すると、春の花芽に悪影響です。
スミレは耐寒性が強い植物ですが、霜雪が強い地域では表土を軽石やベラボンなどで覆うと根の凍結を防ぐことができます。
室内でスミレは育てられるのか
結論から言うと、室内ではスミレは育てることができません。
半日陰や明るい日陰で管理するスミレですが、室内では紫外線量や風通しの影響でうまく生育ができず枯れる可能性があります。
冬の管理ポイントでもお話ししていますが、暖かい室内で冬越しをさせると春に花が咲かないことも。
そのため、一年中室内でスミレを育てることは難しいでしょう。
室内でスミレを楽しみたい場合は、花が咲いたときに数日だけ室内の風通しの良い明るい窓際で楽しんでください。
数日間である理由としては、春に室内で管理すると花付きが悪く次々咲かないためです。
パルマスミレやニオイスミレは香りがあるので、花が咲いたら花を株元から摘み取って小瓶に活けると花と甘い香りをお部屋で楽しめます。
スミレを室内で楽しみたい方は、花が咲いたときに切り花としてお花を活けてください。
スミレの4系統について
スミレの育て方についてわかると、どんなスミレがあるのかなと気になることでしょう。
スミレには最初にお話しした通り、以下の4系統があります。
- 原種系
- 交配種系
- 外国種系
- パルマスミレ・ニオイスミレ系
それぞれのおすすめの品種と特徴を以下でお話ししていますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
最後に
いかがでしたでしょうか。
スミレの育て方と春夏秋冬の管理ポイントについてお話しさせていただきました。
スミレは育てやすいって聞いていたのに、枯れる。。。
そんな疑問の解決に役立てば幸いです。
残念ながらスミレを室内で育てることはできませんが、小瓶に活けたスミレはとても可愛らしいのでぜひ切り花として楽しんでみてください。
パルマスミレやニオイスミレなど香りのあるスミレの場合、切り花をちょこんと飾るだけでもお部屋中に甘い香りが漂う素敵な一日を過ごせますよ。
実はたなーは大学時代にビオラの種子色を研究していました。
今回ビオラではありませんが、スミレのブログ記事を書いていて懐かしい気持ちになり、当時を思い出します。

ビオラやパンジーなどのスミレ科の植物を、人工授粉させて種子を作りたくなりました(笑)
需要があるならば、どこかでビオラの人工授粉についてお話ししてみたいですね。
それでは、かわいいスミレを育てて良きグリーンライフを過ごしましょう。

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