こんにちは。
たなーです。
本格的に気温も高くなり、夏野菜の成長を日々楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。
トウモロコシ(スイートコーン)を育てている方は、以下のような疑問を持ったことがあると思います。
株元から出てくるわき芽は取った方がいい??
トウモロコシのわき芽を取った方が、栄養が集中して甘いのができるのって本当??
そこで、
大学時代や園芸店時代にトウモロコシを育てていました。いつもわき芽は採った方がよいのか、悪いのか悩んでいた時期がありました。おそらく多くの方が悩むポイントでしょう。わき芽問題について解説します。
トウモロコシ(スイートコーン)の無除けつ栽培について
トウモロコシ(スイートコーン)の無除けつ栽培とは、株元から伸びてくるわき芽を取らない栽培方法のことです。
トウモロコシは、茎が伸びてくると、株元からわき芽が数本伸びてきます。
この株元からわき芽が出てくることを「分けつ」と呼びます。
株元から出る余分なわき芽は取り除いた方が、養分の分散を防ぐことができてトウモロコシの穂が大きくなると、多くの方は考えるでしょう。
この考え方は間違いではないのですが、必ずしもそうではない場合があります。
丁寧に育てる方には脇芽を取る栽培がおすすめですが、日々忙しい中お野菜を育てている方にはわき芽を取らない無除けつ栽培方法の方が、よいトウモロコシを収穫できるかもしれません。
その理由を、以下のメリットで紹介します。
トウモロコシ(スイートコーン)のわき芽を取らないことのメリット
トウモロコシのわき芽を取らないことによるメリットは以下の3つです。
- 倒伏しにくくなる
- 穂の肥大が促進される
- 穂の先端まで実が付くようになる
それぞれ解説します。
トウモロコシが倒伏しにくくなる
トウモロコシが倒伏(風や植物体の重さで倒れること)しにくくなる理由は、株元にわき芽がある方がよく根が張るためです。
単純に根数が多いため、お互いに支え合いことができて風や地上部の重さに耐えることができます。
せっかく、トウモロコシができても強風で倒れて台無しになったら残念ですよね。
トウモロコシのわき芽を取らないことで、倒伏を防ぐことができます。
トウモロコシの穂の肥大が促進される
穂の肥大が促進される理由は、枝葉が多い方が効率的に光合成することができ、養分を多く作ることができるためです。
養分が多く作られることによって穂の肥大が促進されるため、2穂収穫可能な株が増えます。
トウモロコシの穂の先端まで実が付くようになる
穂の先端まで実が付くようになる理由は、雌花の受粉が効率的に行える可能性が高いためです。
トウモロコシのわき芽が増加すると、そのわき芽の先端にも雄花が咲きます。
結果的に、雄花が増えるため花粉の飛散期間は長くなり、受粉が効率的に行われます。
トウモロコシの実になる雌花は雄花より5日ほど遅れて成熟する性質です。
つまり、雄花が花粉を出し始めた時に、雌花は成熟していないため受粉ができません。
この時間差があるため、雌花は十分に受粉ができずに実が先端までつかなかったり、まばらに実が付いたりします。そのため、トウモロコシは複数の株を植えてあげる必要があるわけです。
そこで、わき芽を残しておくと、主茎に遅れて咲いた雄花の花粉が飛散します。
そのため、雌花の受粉期間は無除けつ栽培よりも長くなり、実が先端まで付くようになるでしょう。
実が先端まで付かない理由は、他にも肥料や水不足、害虫被害なども考えられます。
わき芽に付く雌花は大きなトウモロコシにはならないですが、美味しいヤングコーンとして収穫すれば問題ないので、わき芽については残しておいてもよいと、たなーは考えています。
メリットは以上の3つですが、わき芽を取らないことによるデメリットもあります。
以降では、デメリットについての紹介です。
トウモロコシ(スイートコーン)のわき芽を取らないことのデメリット
トウモロコシのわき芽を取らないことのデメリットは、アワノメイガなどの害虫の被害が増えることです。
わき芽が多いと雄花も多くなるため、害虫が増えやすくなります。その場合は、生育旺盛なわき芽を2本くらい残して、他の小さなわき芽は取り除きましょう。
それだけでも、風通しがよくなり、害虫発生予防になります。
もし、大発生している場合は殺虫剤を使用した方がよいです。食べ物なので殺虫剤を使いたくない方も多いと思いますが、使用回数や頻度に注意すれば問題ありません。
ベニカXネクストスプレーであれば、多くの病害虫に効果的なのでおすすめです。
トウモロコシのわき芽に関するよくある質問
ここでは、トウモロコシのわき芽を取る・取らないことに悩む方からよくある質問にお答えします。
- トウモロコシ栽培の種まき時期はいつ?
- トウモロコシの追肥のタイミングは?
- トウモロコシの株間は20㎝?
それぞれ見ていきましょう。
トウモロコシ栽培の種まき時期はいつ?
トウモロコシ栽培の種まき時期は、3月上旬~5月上旬です。
発芽適温は20~30℃ほどのため、3月に温度が十分に上がらない場合は、ポットに種まき後に加温して発芽させたり、マルチングをして種まきするとよいでしょう。
トウモロコシは直根(ちょっこん)なので、ポット内で根が回らないうちに植え替えることが重要。
基本的にはトウモロコシはマルチをして地温を上げつつ、種を直接撒いた方が育ちがよいことが多いです。
また、抑制栽培(収穫を遅らせる栽培方法)の場合は、7月下旬~8月下旬に種まきすると、10月上旬頃に収穫できます。
トウモロコシの追肥のタイミングは?
トウモロコシの追肥のタイミングは、以下の2回です。
- 草丈が40~50㎝ほどのタイミング(主茎に葉が5~6枚ほど)
- 草丈が2mほどで雄花が咲き始めるタイミング
1回目の追肥は、草丈が40~50㎝は、雌花が主茎にでき始める時期で葉が5~6枚あるくらいの時期です。
2回目は、雄花が咲き始めるタイミングなのでわかりやすいでしょう。
いずれも、株元に即効性の化成肥料を与えて、土寄せしてください。
土寄せは株が成長に伴って倒れないようにするためでもあります。
月で言うと、1回目は5月中旬~5月下旬。2回目は6月下旬~7月下旬になりやすいですが、種まき時期や苗雄の植え付け時期によって異なるので、草丈や雌花・雄花の付くタイミングを見て、追肥すると安心です。
こちらの肥料は、動物有機と植物有機から作られた肥料で、すでに吸収されやすいアミノ酸入りです。そのため、元肥にも追肥にも使用できます。
トウモロコシの株間は20㎝?
トウモロコシを畑で育てる場合は、畝幅70㎝の株間30~40㎝で2条植えにすると受粉が上手くいきやすいです。
深めのプランターで家庭菜園する場合は、株間20㎝で脇芽を取って複数のプランターを使って栽培してください。
株間が狭いため、脇芽を付けると風通しが悪くなります。
その結果、病害虫が発生して上手く育たない可能性があるので気を付けてください。
まとめ
最後に
いかがでしょうか。
トウモロコシの株元のわき芽についてお話させていただきました。
トウモロコシを育てていて、わき芽を取った方がよいのかどうか悩むことがあると思いますが、畑で十分な株間を確保して育てているのであれば、取る必要もないと考えています。
生産者のように丹精込めて、高品質なトウモロコシを収穫するのであれば、わき芽を取ってもよいです。
しかし、家庭菜園レベルであれば、わき芽を取らずに育てる無除けつ栽培のメリットが大きいでしょう。美味しいヤングコーンも収穫できます。
現在、トウモロコシを育てている方、これから苗を植えようと考えている方、抑制栽培をする予定の方の参考になれば幸いです。
それでは、美味しいトウモロコシ(スイートコーン)を収穫して、よくグリーンライフを過ごしましょう。
トウモロコシ意外に、ナスやメロンなどの夏野菜を育てている方は以下の記事も参考にしてみてください。
ナスが発芽しない原因と対処法【種からの育て方には温度と光が重要】
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