こんにちは。
たなーです。
真夏の暑い時期は、南国の植物を除くと、草花や花木はお花がお休みしてしまいますね。
そんな中、7~10月と暑い時期でも長期間咲く花木があるんですよ。
それがサルスベリです。

サルスベリ?おばあちゃんの家に植えてあったような。。

たなーの実家にも植えられています。最近ではあまり見かけなくなっていますが、サルスベリは良く庭木として植えられていました。街路樹としても見ることがあります。
サルスベリの花は、一つ一つは小さいですが、その可愛い花が集まって房状に咲くので、非常に美しく見ごたえのある花木なんですよ。
この記事を読むことで以下のことがわかります。
それでは、順を追ってお話ししますね。
サルスベリの特徴
サルスベリは、原産地を中国南部とするミソハギ科サルスベリ属の落葉花木です。
開花期は7~10月。
高木なので、地植えの場合は10mにもなることもあります。
暑さには非常に強いですが、耐寒性は-5℃程度なので、東北以北は庭木としては難しいでしょう。
花色は、赤や白、紫、ピンク、複色があり、最近では矮性(わいせい:背が低い特性)や、葉色がブロンズ色や黒系のものなどカラーリーフとしても楽しめるものも増えてきているんですよ。
サルスベリは、漢字で書くと『百日紅』と書きます。
これは、百日紅が100日間(約3か月)咲くことから来ているんですよ。
また、サルスベリは大きくなると、木の肌がツルツルになり、サルも滑って落ちそうだということから名付けられています。
そう聞くと、面白いですよね。
以前は、庭木として良く植えられていましたが、その大きくなる特徴から、管理が大変になるということで、次第に見なくなったように感じます。
しかし、今では矮性品種も多く出回っていますので、安心してサルスベリを楽しむことができるんですよ。
それでは、気になるサルスベリの育て方についてお話ししますね。
サルスベリの育て方

サルスベリのつぼみ
日当たり
サルスベリは日当たりの良い場所を好みます。
日当たりの悪い場所で育てると、花付きが悪くなるので注意しましょう。
用土
サルスベリは、水はけのよい土を好みます。
鉢植えで育てる場合は、市販の基本培土で十分に育ちますよ。
オリジナルで作る場合は、硬質赤玉土:腐葉土:ベラボン=6:3:1がおすすめです。
ベラボンについてはこちらを参考に。
地植えの場合は、腐葉土など堆肥をしっかりとすき込み、土壌改善を行い植え付けてあげましょう。
特に、新築の場合は水はけの悪い真砂土であることがほとんどなので、この場合は特に堆肥と基本培土を混ぜ込んで改良してくださいね。
水やり
鉢植えの場合、基本的には土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるくらいにしっかりと水やりを行いましょう。
しかし、受け皿に水を溜めると根腐れの原因になりますので、溜まった水はこまめに捨ててくださいね。
地植えの場合は、植え付けて1年は根の張りが十分でないので、土の表面が乾いたら水やりを行いましょう。
その後、しっかり根付けば、真夏の雨の降らない極端な乾燥時期を除けば水やりは不要です。
肥料
サルスベリは植え付け時期に、ゆっくり効く緩効性の肥料を土に規定量混ぜ込んであげましょう。
12~2月の休眠期に、株の周りに寒肥(翌春に備えた冬に与える肥料)として有機質堆肥や緩効性の化成肥料を与えると良いですよ。
花が咲き終わる10月頃には、お礼肥(花が咲き終わった後に樹勢の回復を目的とした肥料)として、有機質堆肥を与えてあげましょう。

マグァンプK大粒は、宿根草や花木など、長期間生育する植物に使いやすい化成肥料です。花の栄養素であるリン(P)が多いのもうれしい点です。

完熟馬糞堆肥は、寒肥として特におすすめ。品質の良い食事をしているサラブレッドなど馬のフンは、牛と違い繊維質が多く、微生物が活発に活動しやすく、アミノ酸やカリ分が多めなので根の生育が特に良いんですよ。
病害虫
サルスベリはうどん粉病とサルスベリフクロカイガラムシが発生することがあります。
特にうどん粉病は、適切な管理をしていないと発生しやすいので注意が必要です。
うどん粉病

サルスベリの葉のうどん粉病被害
うどん粉病とは、葉にうどんの粉を振ったような白い粉が付く病気です。
春から秋にかけて発生し、特に天気の悪い梅雨前後に発生しやすいので注意しましょう。
うどん粉病は、日当たりが悪く、風通しが悪いと発生しやすいので、日当たりが良く風通しの良い場所で管理し、増えすぎた枝葉は剪定して風通しを良くすることで予防できます。
発生した場合は、徐々に白い粉が広がり枝葉全体を覆い、花が咲かない原因にもなり株が弱っていくんですよ。
日頃の観察をしっかり行い、市販のお薬で早めに対処しましょう。

うどん粉病はたなーおすすめのベニカシリーズで対処可能です。
ベニカXネクストスプレーについてこちらの記事を参考に。

モレスタン水和剤は、うどん粉病専門の治療薬で多くの庭木に使用でき、おすすめです。水に溶かして噴霧するタイプなので、大木にはこちらを噴霧器で吹きかけると作業が楽でよいですよ。
サルスベリフクロカイガラムシ
こちらも春から秋にかけて発生します。
風通しが悪いと発生しやすいので、剪定作業が重要な予防になるんですよ。
楕円形の白いカイガラムシが枝葉に付き、樹液を吸い植物を弱らせます。
このカイガラムシは生育サイクルが早く、増殖しやすく、薬も効きにくい傾向があるので、日頃の観察が重要です。
カイガラムシが付くと、黒いすすのようなカビが付くすす病を併発するので、せっかくのサルスベリの美観も損ね、結果的に光合成が十分にできず花が咲かない原因にもなります。
カイガラムシは、発見次第、ブラシや布などでこそぎ落としましょう。
数が多すぎる場合は、市販のお薬で対処しますが、効果が低いので長期戦になることを覚悟してくださいね。

お薬としては、ベニカも効きますが、庭木のカイガラムシ対策としては、こちらもおすすめ。夏だけでなく冬の越冬成虫にも効果があるのが嬉しい点です。
剪定
剪定には、開花中の夏に行う「夏の剪定」と、冬の休眠中に行う「冬の剪定」があります。
夏の剪定
開花時期7~10月の間に咲いた花が終わり始めたときに、花が咲いていた枝を2節残して切り戻しましょう。
これを2度切りと言い、切り戻した枝から脇芽が伸び再び花が咲いてきますよ。
2度切り以外では、病害虫予防をかねて込み合った枝葉を切り風通しを良くしてあげましょう。
冬の剪定
サルスベリは落葉花木なので、花が終わり冬の12~2月にかけて葉が落ちてきます。
葉がすべて落ちたら、休眠のサインなのでそのタイミングで剪定を行ましょう。
温暖化の影響で、九州などでは葉がすべて落ち切らないこともありますが、その場合は葉を振るい落として休眠を促してあげてください。
冬の剪定は、夏の剪定と違い、太い枝を切ったりと強剪定と呼ばれる剪定を行います。
基本的には、その年の春に伸びた枝を切り詰めましょう。
サルスベリは強剪定するほど、翌春に強く太い枝が伸びてくる性質があるので、細い枝を切る弱剪定ばかりだと、翌春は弱々しい枝のみになってしまうので気を付けてくださいね。
また、葉がついていないので、枝の向きにも注目して、
〇幹の中心に向かう枝(逆さ枝)
〇同じ方向、角度に向かう枝(平行枝)
〇直角にまっすぐ上へ伸びている枝(徒長枝)
〇胴元から出てきている枝(胴吹き枝)
〇地面から生えてきている枝(ひこばえ) など
は、すべて切り落としましょう。
葉が茂った時をイメージしながら切り戻すと良いですよ。

冬の剪定で、イメージ通りの葉の茂り方になった時がとても嬉しいんですよね。
太い枝を切った際は、切り口から病原菌が入り込まないように、癒合剤などを塗ってあげましょう。

こちらは、私が園芸店時代に良く使用していたお薬です。オレンジ色のペーストなので一目でどこに塗ったかわかりやすいですよ。オレンジ色は自然と薄くなっていきますので安心してくださいね。
サルスベリの増やし方
サルスベリの増やし方には以下の3つの方法があります。
〇種まき
〇根ぶせ・根挿し
〇挿し木
種まき
サルスベリは花が咲き終わると種ができます。
黒く丸い鞘ができて、種が完熟すると鞘が割れて種がはじけ飛ぶように出てくるんですよ。
種を収穫する場合は、破裂前に袋をかぶせておき、破裂後に袋に溜まった種を保存しておきましょう。
種は、5~6月の春に市販の種まき用の土に撒いて、明るい日陰で乾燥しないように管理してください。
新芽が5~6枚になったら、3号(直径約9cm)ポットなど小さめの鉢に植えて育ててあげましょう。

種から育てるのは、とても時間がかかりますが、その分愛着がわいて可愛いのでじっくり育ててみるのも良いですね。
根ぶせ・根挿し
春の5月~初夏の8月に土を掘り、伸びた根を10~20cmほど切り取り、鉢に植え付けます。
最も簡単な増やし方ですが、切り取ったサルスベリが接ぎ木株の場合は、地下部の根は親株と違う花が咲く台木なので、注意しましょう。
挿し木
春に伸びてきた新しい枝は、6~8月の固くなってきます。
その固くなった新梢を約20cmほど切り取り、メネデールを薄めた水を30分ほど吸水させ、切り口にルートンをまぶして、市販の挿し木用の土や小粒の赤玉土に植えてあげましょう。
明るい日陰で、土が乾かないように管理しておくと、次第に葉が出始めます。
その後、日当たりの良いところで管理して植えた鉢底から根が出てくるくらいに根が伸びたら、一回り大きな鉢に植え替えて育ててあげると良いですよ。
メネデールについてはこちらの記事を参考に。

挿し木で植物を増やす場合は、メネデールやルートンを使用すると発根しやすいのでおすすめですよ。
サルスベリの品種
現在では、サルスベリには大きくならない矮性品種や、葉の色も美しい品種、うどん粉病耐性のある品種などが増え、庭木として再注目されています。
特に矮性品種は鉢植えで小さく育てられるので、室内に移動が可能です。
そのため、東北以北の寒冷地でもお勧めできます。
それでは、おすすめの品種をご紹介しますね。
矮性サルスベリ ウィズラブシリーズ

チェリーピンク以外にも、濃いピンクや紫、白もあり、リンクから確認できますよ。
サルスベリ ブラックパール

銅葉を超える黒葉が特徴の非常に珍しいサルスベリです。黒葉に白花または赤花が映え、カラーリーフとしてもお庭のアクセントにもおすすめできるモダンな新しい品種です。
サルスベリ ディアシリーズ

ディアシリーズは、うどん粉病耐性を持つので、育てやすい品種です。赤以外に、紫もありますのでリンクから確認してみて下さいね。
まとめ
最後に
いかがでしょうか。
サルスベリは大きくなるから、庭には植えないほうが良い。
とも、いう方もいますが、そんな方には矮性品種がおすすめ。
矮性品種であれば、大きくなりすぎることもなく管理しやすいためです。
また、ブラックパールという、黒葉のサルスベリは、洋風のお家にも合い、おしゃれですね。
こんなサルスベリがあるんだと驚いた方も多いでしょう。
サルスベリの剪定に悩む方も多いですが、大事なことは冬に思い切って切ることです。
悩んで切らないよりは、とにかく切って風通しを良くしてあげるように意識しましょう。
サルスベリの花はとても色鮮やかで可愛らしく、お花がお休みしがちの真夏にも咲いているので、ぜひ育ててみませんか?
それでは、サルスベリを元気に育てて、良きグリーンライフを過ごしましょう。
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