こんにちは。
たなーです。
3~4月、早春になると、園芸店には一斉にイチゴ苗が出回ります。
早いものでは、実付きのイチゴ苗も販売されており、甘い香りを漂わせていることでしょう。
イチゴには様々な品種があり、どんなイチゴを育てようか悩むのも楽しみの一つですね。
様々な品種がある中で、
この記事を読むことで以下のことがわかります。
【絶滅危惧種!?】パインベリーとは
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結論から言うと、パインベリーとはパイナップルの味がする珍しい白イチゴです。
パインベリー(Pineberry)とは通称で、正式名称はパイナップル・ストロベリー(Pineapple Strawberry)とのこと。
珍しいイチゴってことは最近品種改良されたイチゴなのかな?
と、思う方も多いかもしれませんが、実はこのパインベリーは、昔からある品種のイチゴなんですよ。
それも、絶滅危惧種に指定されるほど数の少なく、幻と言われていました。
この白イチゴのパインベリーが有名になったのは、2010年にイギリスの高級スーパーマーケット“Waitrose(ウェイトローズ)”で販売を開始したことがきっかけです。
南米大陸のチリに自生していたのが発見されて、それから2001年までは絶滅を危惧されていました。
その後、オランダの生産者が本格的な商業用栽培に成功したことで、2010年にオランダからイギリスへ上陸して、Waitroseで4月から5週間のみ販売することで世界中で話題になったんですよ。
自然交配で白イチゴが誕生していたことにも驚きですが、さらに絶滅の危機にあったパインベリーには、どんな特徴があるのか気になりませんか。
それでは、絶滅危惧種だったパインベリーの特徴についてお話しします。
パインベリーの特徴
パインベリーの特徴は以下の3点です。
特徴1:パイナップル味のイチゴ
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パインベリーの最大の特徴は、イチゴなのにパイナップル味という点です。
名前の通り、想像がついていた方も多いことでしょう。
パインベリー自体は、非常に香り高く、酸味がほとんどないイチゴです。
香りもさることながら味もパイナップルに近いため、パイナップル+ストロベリーでそのまま正式名称のパイナップル・ストロベリーになっています。
通称のパインベリーも呼びやすくて味の想像もしやすいので、覚えやすいですね。
特徴2:種は赤みを帯びている
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最近では、白イチゴにも多くの品種があり、同じような見た目ですがそれぞれ特徴があります。
パインベリーの見た目の特徴は、その赤みを帯びる種でしょう。
白い果肉に赤い種が付くので、ぱっと見てピンク色に感じますが、中身は純白のような真っ白です。
通常のイチゴと同様に、受粉して実が付き始める頃は緑色ですが、熟していくに従い白くなっていきます。
そして、種が赤くなってきた頃が収穫のサインです。
このパインベリーは、追熟はしない性質なので、熟した美味しいタイミングで収穫しましょう。
追熟とは、簡単にいうと
収穫して保存しておくことで甘さが増すことです。
特徴3:花粉が少なく自家受粉が難しい
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パインベリーの花には花粉が非常に少なく自家受粉が難しいんです。
自家受粉とは自分自身の花粉で受粉して実をつけることだよ。
去年、たなーも自家受粉で実がつかないか挑戦してみたけどダメだったね(悲)
写真を比べると、とよのかの花には雄しべに花粉がしっかりありますが、パインベリーには花粉がほとんどありません。
そのため、通常のイチゴ味のするイチゴ(とよのか、宝交早生、さがほのかなど)の花粉と受粉させる必要があります。
受粉方法は、自然にミツバチなど受粉昆虫が受粉させる以外に
5日前後の開花したばかりの花同士を花粉が付くようにくっつけるか、筆などで花粉をパインベリーに受粉させると良いでしょう。
ところで、イチゴ味のするイチゴって??
良い点に気づきましたね。
イチゴには多くの品種があり、桃香(ももか)や桃薫(とうくん)などのように、桃の味や香りがするイチゴがあります。
他フルーツの香りや味のするイチゴとの受粉では、パインベリーの特徴であるパイナップル味や香りを十分に楽しめないイチゴになるので注意が必要です。
パインベリーの育て方
パインベリーは、他のイチゴ同様に育てやすく、育て方も全く同じです。
むしろ、他のイチゴよりも寒さに強い印象を持ちました。
ここでは、イチゴの簡単な育て方をお話ししますね。
日当たり
イチゴは、日当たりの良い環境を好みます。
そのため、直射日光が良く当たる場所で管理しましょう。
真夏は、日差しが強すぎて葉焼けをすることがあるので、その場合は遮光したり半日陰などに移動したりしてくださいね。
温度
イチゴの生育適温は17~20℃前後であり、冷涼な気候を好みます。
寒さには強く雪や霜に当たっても問題ありませんが、夏の高温には弱い性質です。
夏は寒冷紗などで遮光したり、半日陰に移動したりすると良いでしょう。
用土
基本的には、市販の野菜用の土や専用のイチゴの土で育てると良いでしょう。
地植えする場合は、腐葉土などの堆肥をしっかりすき込んで有機質に富んだ土にしてあげることがポイントです。
植え付け
根がしっかり回っている場合は、根をほぐしてあげましょう。
ポットから取り出した根鉢の肩部分(株元部分)の土は少し外してきれいにしてあげてください。
この部分は園芸店や生産者で育っているうちに、水のやりすぎなどの要因で苔が生えたり、かすかすの土になっていたりするためです。
少し株元の肩が出るように浅植えをしましょう。
イチゴは新芽が株元から出てくるので、その部分に土が被ることを防ぐためです。
そのほかにも、
水やりの時に葉に土が跳ねて病気にならないようにするためであったり、風通しを確保するためであったりするためと、様々な理由があります。
土跳ねが気になる場合は、バークチップやベラボンなどでマルチングすると見た目にもいいですよ。
ベラボンについてはこちら。
肥料
実ったイチゴは、最終的には食べる方がほとんどでしょう。
市販の科学肥料もよいですが、せっかくなら有機栽培に挑戦してみませんか。
植え付け時に、たなーおすすめの完熟馬フン堆肥を規定量混ぜ込み、その後は土が乾いたときに1週間おきに有機液肥を与えると良いでしょう。
たなーは野菜関係には有機100%を愛用しているよ。
最近では、試験的にネイチャーエイドも購入してみて試しています。
たった今、注文してたネイチャーエイド(サカタのタネ)が届きました~✨
たなーは有機液肥としては、平田ナーセリーの有機100%を愛用してるけど、違いが出るかなぁ🤔
有機種子も購入したし、実験かな😆
香りは、ほぼ同じ(笑)
若干ネイチャーエイドの方が、さらっとして薄いかな。 pic.twitter.com/Ti7NnnaRCL— たなー@植物ブロガー+Webライター (@tana_3930) March 24, 2022
水やり
基本的には、土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。
受け皿をしている場合は、溜まった水はこまめに捨ててくださいね。
そのままにしておくと、根腐れの原因になるので注意が必要です。
地植えの場合は、植え付け直後を除けば、真夏の雨が降らない時期以外に水やりは必要ないので安心してくださいね。
鉢植えで土の渇きが良くわからない方にはサスティーがあると便利!
病害虫
イチゴは以下の3つの病害虫が発生しやすい傾向があります。
〇灰色かび病
〇うどん粉病
〇アブラムシ
いずれもお薬は園芸店で手に入りますが、口にするものとしてお薬を使いたくない場合は、適切に育て日頃の観察を行い、予防することが大事です。
灰色かび病の予防
灰色かび病とは、文字通り灰色のカビが葉や茎、果実に発生する病気です。
春から秋にかけて発生し、特に湿度の高い梅雨時期に発生します。
湿度が高いと発生しやすいので、イチゴの場合は茂りすぎた葉や古い葉、枯葉は取り除き、風通しを確保しましょう。
日当たりと風通しが良い場所で管理することが大事です。
水やりは花や実に当たらないように、株元に与えましょう。
うどん粉病の予防
うどん粉病はうどんの白い粉を振ったような白いカビが葉や茎、果実につく病気です。
こちらも春から秋にかけて発生し、特に5~7月、9~10月に発生します。
気温が20℃前後の湿度が高い環境で発生しやすいので、生育期に水のやりすぎに気を付けましょう。
また、窒素分が多すぎると発生しやすくなるので、有機肥料でも窒素分が多いものは控えてください。
アブラムシ
アブラムシは、どの植物にも発生しやすい吸汁性害虫です。
特に新芽の出る春と秋に発生しやすいので注意してください。
大量発生するとウイルスを媒介することもあるので、日ごろの観察で見つけ次第取り除きましょう。
いずれの病害虫も大発生すると、イチゴが実らなかったり、枯れたりする原因になります。
有機栽培で育てる場合は、環境を整えて有機肥料を適切に使用して、健康的に育てることが美味しいイチゴを収穫するポイントになります。
お薬を使わない野菜栽培は、難しいですがその分収穫をした時の喜びは大きいものです。
日頃の観察をしっかりして美味しいパインベリーを収穫してみましょう。
まとめ
最後に
いかがでしょうか?
パインベリーとはどんなイチゴか?そして、その特徴と育て方についてお話させていただきました。
絶滅危惧種だった幻の白イチゴって聞くだけでワクワクしますよね。
それも、パイナップルの味がするなんて、これからの受粉作業が楽しみです。
パインベリーは、まだまだ流通量が少なく園芸店でもあまり見かけません。
あっても数が少ないようです。
それでは、幻の白イチゴ“パインベリー”を育てて良きグリーンライフを過ごしましょう。
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